2012 Fiscal Year Annual Research Report
膜タンパク質を利用した生体電気刺激デバイスの研究開発
Project/Area Number |
22650103
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
八木 透 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (90291096)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 医用マイクロ・ナノマシン / ギャップジャンクション / 人工脂質二重層 / 電気刺激 / ブレインマシンインタフェース / 神経補綴 |
Research Abstract |
体内埋植型の生体電気刺激デバイスが注目されるにつれ,その中核技術である刺激電極の開発がますます重要となっている.より高性能なデバイスの開発には電極の微細化と多点化・高集積化が必要であるが,生体組織を最適かつ安全な条件で電気刺激することは容易ではない。第一に、生体組織への電気刺激は電気化学的反応であり,電極を微細化すると電気二重層の面積が減るため注入できる電荷量も減る.また電気刺激が一定レベルの電荷密度を超えると生体組織を損傷する.以上の問題は,既存のデバイスでは細胞膜の外から電気刺激する細胞外刺激を採用していることに起因している.電荷を細胞内へ直接注入することができれば,細胞外刺激に比べて閾値を大きく下げることができるが,従来手法は細胞膜に物理的・機械的な損傷を与えるため,生体適合性の面から大いに問題があり,新たなブレイクスルーが待ち望まれている. ところで管状膜タンパク質は細胞膜中に小孔を形成する管状のタンパク質であり,それが持つイオン透過性は細胞刺激デバイス等への利用が期待できる.膜タンパク質を利用したデバイスは高い生体適合性と空間分解能を持つことが期待でき,多数の細胞を個別に同時刺激する使用方法が想定される.しかし,それぞれの細胞に対する膜タンパク質のイオン透過を同時に計測することは現在利用されている電気計測では難しい. そこで申請者は,この課題を解決する手法として細胞内シグナル計測に利用される蛍光イオンセンサを用い,その蛍光強度から膜タンパク質のイオン透過性を評価することを提案している.本研究では,イオン濃度勾配が存在する人工的な脂質二重膜中に評価対象となる管状膜タンパク質を導入し,それによって生じるイオン透過の推移を蛍光画像によって観測した.その結果,時間の経過とともにイオンが拡散していくことが確認でき,イオン透過性が定性的に評価可能であることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)