2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22650151
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Research Institution | Kobe Design University |
Principal Investigator |
古賀 俊策 神戸芸術工科大学, デザイン学部, 教授 (50125712)
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Keywords | 非定常状態 / 活動筋 / 酸素消費量 / 空間不均一性 / 近赤外分光装置 / 脱酸素化ヘモグロビン濃度 / 筋線維動員パターン |
Research Abstract |
運動の開始時に代表される非定常状態においては、活動筋内部の酸素消費量(VO_2)の空間的な不均一性が予想される。そこで、複数部位における活動筋VO_2の応答を推測するために、ヒトの活動筋微小循環の脱酸素化ヘモグロビン濃度(HHb、酸素供給と酸素利用のバランスを反映)の応答を複数部位で連続的に計測した。成人7名を被験者として、自転車運動(乳酸閾値以下の中強度)開始時における活動筋のVO_2とHHbの絶対値(振幅)を計測した。時間分解・近赤外分光装置(TRS:浜松ホトニクス、TRS-20D)を用いて、大腿筋の計3部位(外側広筋の遠位と近位部と大腿直筋)におけるHHbの局所的な分布を連続的に測定した。超音波ドップラー装置を用いて大腿3部位の皮下脂肪厚を測り、HHbの値を補正した。活動筋全体のVO_2を反映する肺胞の酸素摂取量を連続的に測定した。吸入酸素の濃度を変化させ(21,16,12%)、酸素供給量の減少がVO_2応答とHHbに与える影響を調べた。活動筋のVO_2とQ(血流量)の空間不均一性の評価:生体応答の2乗平均平方根誤差と非線形近似解析で得られた応答速度の変動係数を計算した。その結果、吸入ガス濃度の低下に伴ってHHbのオーバーシュートの最大値(peak HHb))は増加し、VO_2急成分の応答時定数は遅くなった。したがって、VO_2とQの過渡的なミスマッチによって酸素供給とPO_2が低下し、VO_2急成分の応答を遅くすることが示唆された。さらに、運動開始時におけるpeak HHbの部位間変動係数はVO_2急成分時定数:の増加に従って減少した。つまり、吸入ガス濃度の低下に伴って運動開始時の過渡的な酸素不足が顕著になる一方、活動筋毛細血管PO_2の最小値はより均一になることが示唆された。研究代表者は現在、多チャンネル・時間分解NIRS装置を用いて、活動筋微小循環のHHbとQを同時計測し、VO_2動的応答の空間不均一性を検討することを試みている。
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Research Products
(3 results)