2010 Fiscal Year Annual Research Report
亜熱帯地域に対応した自然環境学習プログラムと教師支援システムの開発
Project/Area Number |
22650195
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
杉尾 幸司 琉球大学, 教育学部, 教授 (20433089)
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Keywords | 野外観察学習 / 学習プログラム / 教師支援 / 沖縄県 / 亜熱帯気候 |
Research Abstract |
教師が屋外において身近な動植物を観察・調査した経験を持つことは、野外観察学習を行う際はもちろんのこと、教室内での理科授業を進める際にも重要な意味を持つと思われる。しかし、亜熱帯気候に属し他府県とは異なった自然環境にある沖縄県においては、他県での自然環境を想定した指導所や参考書等は参考にならないことが多く、児童・生徒が郷土の身近な自然環境について知るための効果的な学習プログラムとそれを活用する教師を支援するための取り組みは十分ではないのが現状である。そのため、野外観察学習に興味を持つ教員が効果的に利用できる学習プログラムと教師支援システムの開発を目的に研究を行った。 今年度は、野外観察を実施する場合に好適なフィールドの選定とそこで使用する教材を作成するために必要な基礎調査、標本や画像データの収集等を中心に行った。フィールドとして好適な末吉公園は、那覇市都市部の住宅地の中にある市民公園で、開発の手から免れて残存している自然林に近い発達した森林が見られ、一般的な公園としての利用のほかに、人々が自然と触れ合う場としても利用されている。植生調査の結果、47科76属92種の植物の生育場所の確認を行った。その結果を基にして小規模群落のゾーニングを行い、各植物の位置情報等について記録した。フィールドの植生情報等が明らかになったことで、具体的な植生情報を盛り込んだマッピング作業を進めることが可能になった。また、教員向けの学習プログラムを作成する際の検討課題を検証するために、小学生と保護者を対象にした野外観察学習会を夏休み期間中に5回程度実施した。その他に、教員を対象にしたワークショップも実施し、学習プログラム等に必要な基礎情報の収集を行った。今年度の研究によって、学習プログラムを構成する基本的なデータの蓄積を行う事ができ、次年度以降の研究における重要な基礎情報を整理することができた。
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Research Products
(1 results)