2011 Fiscal Year Annual Research Report
良質な試行錯誤に基づく高抽象プログラミング概念修得に関する研究
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22650204
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
三浦 元喜 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (00334053)
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Keywords | プログラミング学習 / 教育工学 / ユーザインタフェース / オブジェクト指向 |
Research Abstract |
(1)プログラミング学習環境の整備と実験 平成23年度は,従来提案していたオブジェクト指向言語における型・変数・オブジェクトの関係とデータ参照構造を視覚化するプログラミング学習環境AnchorGardenを改良し,クラス定義を行う上で必要となるメンバー変数やメソッドの概念,および実行時の振る舞いを動的に表現しつつ,グラフィカルな表現に対する操作によって学習することを可能にした.この内容を情報処理学会コンピュータと教育研究会が主催するSSS2011シンポジウムで発表した. 本システムとBlueJシステムの比較実験を行ったが,事前教示の影響によりシステムによる差異が認められなかったため,今後条件を再考した実験を行う. (2)プログラミング授業における学習者の座席位置と達成度に関する研究 プログラミング講義は計算機を配置した教室で実施されることが多いが,計算機を配置した教室は機材等の都合上,教師との距離が離れがちである.そこで教師との距離や注意(アテンション)と達成度の影響をはかるため,研究代表者が担当するプログラミング講義において,出席報告に含まれる座席位置情報および遅刻情報と,達成度(成績)との相関を計算した.その結果,後ろの座席に座ったり,遅刻する学生ほど成績が低いことを確認した.この内容を国際会議KES2011で発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
教示内容構造の分離,および段階的な教示を可能とするためのシステム改良は実現できた.他システムとの比較実験では期待していた効果は得られなかったが,実験を通じてプログラミング学習者がつまづきやすいポイントや陥りやすいミスを抽出することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
(1)プログラミング学習環境の修正および追加実験 (2)具体的な例示表記と,高抽象概念との整合性に関する検討 (3)ソフトウェアの一般公開とツールキット化
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