2011 Fiscal Year Annual Research Report
音の様態・意味の両観点に着目した映像リテラシー理論の構築
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22652021
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
栗原 詩子 西南学院大学, 国際文化学部, 准教授 (30336086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 滋延 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (90164300)
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Keywords | 映像表現 / 展示 / 実験的映像 / 音響 |
Research Abstract |
1.映画・映像アートのためのサウンドデザインのモデルを創案すべく、平成22年度に行った作品分析を基に、このモデルを展示・協議するための場を設けた。具体的には、同時代の映像作家9名の作品を選定し、2日間にわたる展示会「音と映像の現在形」を開催した(11月6-7日)。 韓成南・中村滋延・黒岩俊哉・早川貴泰・高山穣・松山豊・古田伸彦・森内暢・青木一生 2.展示会「音と映像の現在形」の期間中に、特に、国際的な視点での対話の機会として、日本・韓国・ハンガリーを出身地とする映像クリエーター(一部は研究者)によるシンポジウムを開催した(11月7日13:00-15:00)。各登壇者と個々の発題は以下の通りである。 ・韓成南氏(映像作家・記号学研究) 「映像における多言語の可能性~ワークショップ開催事例にふれながら~」 ・中村滋延氏(作曲家・メディアアーティスト)「アジアにおける音と映像の創造的交錯」 ・パップ・ジリア(アニメーション研究)「日本の伝統的怪談の映像的表出」 ・栗原詩子(音楽学・映像学)・・・司会 約80名の来場者もふくめ、活発な意見交換を行うことができた。 3.論文3点による文書報告と併せて、学会発表4件をとおしたピア的意見交換につとめた。 各論題のタイトルは多岐にわたるが、大きく分けて3つの方向性に分類できる。 (A)映像・映画内の音についての研究方法論 (B)小津安二郎の映画作品における「音」の様式研究 (C)映像音響詩を研究作例として捉え直すための制作ノート
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
緊密に連絡をとりあうとともに、互いの個別研究を尊重しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
音響と映像の関係について理論化・意識化する作業は、論文や学会発表の成果をうみやすいが、理論化・意識化を経て作品例を制作することについては、それがもともと「表現」「芸術」の領域にあるために困難な可能性がある。しかしながら、過去2年度と同様に、緊密に連絡をとりあうとともに、互いの個別研究を尊重し、理論的なバックグラウンドをもつ作品例の制作を実現したい。なお、当研究のメンバー2名は、ともに、6月に開催予定の日本映像学会第38回全国大会の実行委員であり、緊密な連携をとって映像表現について考察するための環境は整っているといえる。
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Research Products
(9 results)