2011 Fiscal Year Annual Research Report
企業遺伝子の形成過程および継承過程とその影響に関する研究
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22653046
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
吉村 孝司 明治大学, 専門職大学院・会計専門職研究科, 教授 (20220733)
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Keywords | 企業遺伝子 / 企業DNA / ニューロマネジメント / 遺伝子型経営 / イノベーション / 組織文化 / 老舗企業 / 企業不祥事 |
Research Abstract |
本研究は企業における特異的行動(革新活動や不祥事等)の原因と過程の解明を図ることを研究契機とし、企業組織編成要因である人間に内在する遺伝子と、それによる思考および意思決定とその結果としての行動にみる諸要因が、企業組織にも適応できるという研究代表者独自の研究視点であるニューロマネジメント概念に基づき、「企業遺伝子の存在確認と機能についての分析」および「組織における企業遺伝子の継承過程の解明」を、企業対象アンケート調査およびヒアリング調査に基づいて実施する点にある。 平成22年度は、企業対象アンケート調査およびヒアリング調査による検証を主とし、日経指標対象企業225社(日経225企業)および、創業経過期間100年±10年にある企業(100年企業)、株式会社帝国データバンクの定義に基づく老舗企業(老舗企業)の3つのカテゴリーに属する計353社(有効回答数60件)を対象としたFAX方式によるアンケート調査においては、日経225企業の53.6%、100年企業の71.4%、老舗企業の64.3%において企業遺伝子の存在に対する肯定的回答を得たことにより、企業遺伝子の存在を学術的に初めて検証した。 平成23年度は、上記調査結果の精査を踏まえ、(1)企業遺伝子の解読過程に関する考察、(2)企業遺伝子の培養過程に関する考察、(3)企業遺伝子の組み換え過程に関する考察、(4)企業遺伝子の継承過程に関する考察、に関する理論的考察を実施した。特に上記のアンケート調査によって得られた企業遺伝子の存在事実に関しては、「日経225型企業遺伝子」と「老舗企業型企業遺伝子」という異なる二種の遺伝子を抽出することができ、企業としての規模および組織特性、文化を醸成しつつある企業と、長期間の創業期間において経営志向性や組織特性および文化を熟成しえた企業においては保有する企業遺伝子に差異が生じることを検証した意義は大きい。
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Research Products
(5 results)