2010 Fiscal Year Annual Research Report
環境配慮行動を促進する心理的要因とその心的機能の検証
Project/Area Number |
22653073
|
Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
黒川 雅幸 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (10510050)
|
Keywords | 環境配慮行動 / もったいない |
Research Abstract |
本研究は、無駄にしない行動を促進する要因の1つと考えられるもったいない情動という心理的概念に着目し、1.もったいない情動が環境配慮行動に及ぼす影響の検証、2.もったいない情動が生起するメカニズムの検証、3.もったいない情動がもつ心的機能の検証などの基礎理論を確立することが目的である。本年度は、1に関して、1)昨年度に小・中学生を対象に実施した調査結果をまとめ、日本教育心理学会第52回総会において発表した。この研究では、学校給食の残食を題材にして、もったいない情動の影響について検証を行った。もったいない情動を感じることによって直接的に残食が減る場合と残さないようにしようとする行動意図を媒介して残食が減る場合があることが明らかになった。2)大学生を対象に、もったいない情動が環境配慮行動に及ぼす影響の調査を行い、結果を日本社会心理学会第51回大会において発表した。もったいない情動は「価値の損失」「価値あるものの未発揮」「再利用・再生利用可能性の消失」「投資分の未回収」「無駄な出費」という5つの生起先行条件があることが示され、そのうち環境配慮行動を説明したのは「価値の損失」と「再利用・再生利用可能性の消失」によって生起するもったいない情動であった。3)2)で行った調査結果が小・中学生でも同様に得られることを確認するために調査を行った。結果のまとめおよび発表は次年度に行う予定である。2に関しては、文献研究から、発達的視点を入れる必要性があると判断し、幼児を対象とした実験を行うため、関連する文献を整理した。また、もったいない情動の概念を明確にするために、留学生を対象に調査と面接を行った。結果のまとめおよび発表は次年度に行う予定である。3に関しては、大学生を対象に質問紙調査を実施した。結果のまとめおよび発表は次年度に行う予定である。
|