2011 Fiscal Year Annual Research Report
「NHK青年の主張」における青年文化のメディア社会学
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22653107
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 卓己 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (80211944)
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Keywords | 修養主義 / メディアイベント / 青年文化 |
Research Abstract |
本研究は青年の就労問題とアイデンティティ危機が深刻化している状況を踏まえ、戦後日本の青年の勤労観とアイデンティティ形成をメディア・イベント分析から再検討し、積極的な提言を行うことを目的としている。研究対象であるテレビ番組「青年の主張」(正式名称「NHK・青年の主張全国コンクール」)は1954年から1989年まで長らく「成人の日」に国民的番組として中継放送されてきた。最盛期の資料、『青年は主張する-NHK・青年の主張コンクール珠玉文集』(1967-77:自由国民社)のデータベース化は22年度で完成した。このデータベースをもとに、このメディア・イベントにおける言説の量的、質的研究を進めた。このデータベースを補完する基礎データをNHK放送文化研究所、国立国会図書館など関係機関から収集し、メディア・イベント《青年の主張》の全体像がようやく明らかになった。この中間報告として2011年5月28日に関西大学人間健康学部で「『青年の主張』が消えた理由」を報告した。連携研究者である教育社会学専攻の佐藤八寿子(京都女子大学非常勤講獅)や京都大学大学院教育学研究科生涯教育学講座・メディア文化論専攻院生を中心に青年文化とメディアを分析する研究会(仮称・青年メディア文化研究会)を組織しており、隔月で関連する青年文化の研究報告を行った。また、この連携研究者および研究協力者とともに、全国コンクール参加者(猪口邦子参議院議員など)やイベントを担当したNHK関係者や社会教育事業担当者へのヒアリングを行い、その証言を記録している。この成果は、2012年度中に『青年の主張』(仮題)として河出書房新社から刊行予定である。また、本挑戦的萌芽研究から発展した課題として、平成24年度から基盤研究B「青年期メディアとしての雑誌における教育的機能に関する研究」(代表者・佐藤卓己)を開始する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
青年の主張全国大会発表のデータベース化も終わり、最終年度の本年中に研究成果を『青年の主張』(仮題)として河出書房新社より刊行することが決まっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題で見出した1970年代から1980年代における青年文化の変容については、本年度から開始する基盤研究B「青年期メディアとしての雑誌における教育的機能に関する研究」(代表・佐藤卓己)と連動しすつつ、引き続き研究を深めたい。
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Research Products
(4 results)