2012 Fiscal Year Annual Research Report
「NHK青年の主張」における青年文化のメディア社会学
Project/Area Number |
22653107
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 卓己 京都大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (80211944)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 青年問題 / メディアイベント / 放送番組 / NHK / 弁論 |
Research Abstract |
本研究は青年の勤労観とアイデンティティ形成を20世紀日本社会を象徴するメディア・イベントの分析を通じて再検討し、現代の青少年問題に積極的な提言を行うことを目的として始められた。正式名称《NHK・青年の主張全国コンクール》は1954年に開始され、その全国大会は長らく「成人の日」に国民的番組として中継放送されてきた。しかし、2005年に後継番組が打ち切られた現在、この番組資料は勤労青年の文化変動を理解する上で貴重な歴史資料だが、先行研究は存在しなかった。この研究では全国大会の優秀論文をデータベース化し、量的および質的に分析し、20世紀後半における「青年」への眼差しの変化を検討した。 「NHK青年の主張コンクール」が開始された1950年代において「青年」は勤労青年を意味し、「学生」との区別が存在していた。それはこのイベントの出場者の性格に反映されている。しかし、1970年代になると大学進学率の上昇にともない「青年」はむしろ「学生」を意味する言葉になった。そうした社会的眼差しの変化の中で、1980年代の出場者には大きな変化が生まれた。また、「青年」という言葉は男性的バイアスを帯びていたが、このイベントでは初期から女性出場者は多かった。しかし、1980年代に入ると質量ともに女性中心のイベントになっていった。 NHKに残る資料を検討しつつ、コンクール出場者とその発表内容の変遷を中心にテーマやキーワードを質的に分析した。その結果は『青年の主張―幸福感のメディア史』(仮題)として河出書房から出版の予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)