2010 Fiscal Year Annual Research Report
選択性緘黙の内的世界の探究と治療教育的アプローチの開発
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22653126
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
園山 繁樹 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (90226720)
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Keywords | 選択性緘黙 / 行動療法 / 場面緘黙 |
Research Abstract |
平成22年度は内的世界に関する予備的調査のまとめと、治療教育的アプローチに関する事例的検討を中心に行った。その結果、以下のような成果が得られた。 1.選択性緘黙の当事者団体を通して経験者に対して予備的に実施した質問紙調査の結果をまとめた。特に、年齢・発達によって自らの緘黙症状の捉えや対処の仕方が変化することが明らかになった。また、緘黙症状は改善しても、対人場面や社会的場面において不安や緊張を感じている成人が少なくないことが明らかになった。これらの結果については、日本特殊教育学会第48回大会においてポスター発表し、他の研究者と質疑応答した。 2.選択性緘黙を示す小学校2年男児に対する行動療法的アプローチを担任、母親、特別支援コーディネーターとの連携によって実施した。その結果、年末頃には授業中においても発語がみられるような顕著な改善が認められ、数人の級友との自由な会話が可能となった。この指導経過については、次年度の関連学会において報告する予定である。 3.選択性緘黙を示す高校生に対する行動療法的アプローチを、本人、母親と協働して実施した。その結果、相談室内における相談員数名との会話が可能となった。しかし学校場面での緘黙症状や過度の緊張感は続いており、思春期におけるアプローチには従来の行動療法的アプローチをさらに改善する必要性が示された。 これらの成果から、選択性緘黙を経験した人については緘黙症状の改善はもとより、対人場面での不安・緊張の軽減を図る必要性があること、低年齢期と思春期以降においては治療的アプローチが異なることが示唆された。
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Research Products
(1 results)