2010 Fiscal Year Annual Research Report
暗黒物質探索に向けた次世代キセノン固体検出器の開発
Project/Area Number |
22654029
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
長谷部 信行 早稲田大学, 理工学術院(理工学術院総合研究所), 教授 (10127904)
|
Keywords | 暗黒物質 / 放射線 / キセノン / 固体結晶 / 電離・発光 |
Research Abstract |
本研究はは,晴黒物質の有力な検出手段となり得るキセノン固体検出器に関する基礎物性値の実験的取得が主目的である。キセノン固体の放射線検出器への応用はこれまでにほとんど行われておらず,物性値の取得のためには,結晶の製作方法等の基本的な実験方法から確立させていく必要がある。従って,本年度は,キセノン固体製造容器,クライオタットならびにその温度管理機構,.真空排気系,純化装置を含むキセノンガス充填系を設計・整備し,それらの動作試験を行った。 キセノン固体製造容器は,ステンレス製で容積約5×5×5cm^3の立方体型であり,側面にビューポートを4つ備える。内部には銅の電極を設置し,銅のコールドフィンガー」により外部の冷却材(液体窒素)と接触している。キセノン固体製造容器は真空容器内に設置されており,外部との真空断熱が可能である。 キセノン固体製造容器内にキセノンガスを充填し,圧力を1.5気圧程度に保ちながら液体窒素で冷却することで,キセノン固体の製造試験を行った。結果、電極め温度が105kの時,キセノンの液体から固体への凝固を確認し,その後高さ約2cmまで製造することに成功した。 今後の課題として,製造された固体結晶の質を評価する必要がある。そのため,固体の製造時間を変化させた場合や,液体及び気体から固体を製造した場合の結晶の変化について検討する。.また,銅の電極の代わりにグラファイト電極を利用し,電離信号の読み出し可能性を検証する。
|
Research Products
(1 results)