2011 Fiscal Year Annual Research Report
暗黒物質探索に向けた次世代キセノン固体検出器の開発
Project/Area Number |
22654029
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
長谷部 信行 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10127904)
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Keywords | solid xenon detector / xenon crystal / scintillation / ionization / radiation / dark matter |
Research Abstract |
背景:宇宙の構成物質の約1/4を占めると考えられている暗黒物質の探索は、多くの研究にもかかわらず、未だそれを示す研究は皆無である。本研究では、暗黒物質を探索するための新しい検出器になると思われる「固体キセノン放射線検出器」の基礎実験として固体キセノン(Xe)の放射線物性を調査することを目的として、先ず高真空、高純度固体Xe製作用冷却系の構築、固体Xe製作法の確立、電離・発光現象を通して、基礎データの取得を進めてきた。 目的:固体キセノン製作法の確立、及び発光と電離、W-値、電子移動度などの放射線にたいする基礎的なパラメータを観測することである。 方法:高純度のXeガスを得るための純化装置と高真空排気装置を備えた固体Xe製作装置の製作、及びその内部に設置した平行平板型電離箱内に固体キセノンを成長させる二つの方法を確立し、発光現象及び電離現象を観測して、基礎物性値を測定する。これまでに、1x10-7 Torrの高真空が得られ、且つ2個のバナジューム系のガス純化器をもった真空・ガス充てん装置を備えた大きさ70mm角のクライオスタットを作成した。内部には固体Xeを成長させる直径30mm x 20mmのサイズの平行平板型電離箱が固定されており、容器の下面はコールドフィンガー、2側面には蛍光観測用コルッ窓、他の2側面は信号取り出し、及び高電圧導入端子、上面は真空・ガス導入口になっている。 成果:製作したXe結晶の透明度を向上させるためには、きわめてゆっくりと温度を下げることが必要で、蛍光観測に最適な透明度を得るのに要求される温度制御法を決めるための実験装置を製作し、蛍光のW値の測定を兼ねながら温度制御の最適パラメータを探ってきた。研究目的を達成するための装置は完成し、固体成長法の確立、基礎物性値の一つ発光現象観測とその確認が進行している。
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Research Products
(2 results)