2010 Fiscal Year Annual Research Report
配列状態制御分子ビームを用いた銅ならびに銀表面の化学反応ダイナミクス
Project/Area Number |
22655005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡田 美智雄 大阪大学, 科学教育機器リノベーションセンター, 教授 (30281116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋之口 道宏 大阪大学, 科学教育機器リノベーションセンター, 助教 (60377801)
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Keywords | 表面界面物性 / 原子・分子 / 超薄膜 / ナノ材料 |
Research Abstract |
入射分子のもつ並進エネルギーや内部状態といった初期条件が、金属表面、特に銅表面でどのように維持伝達され、表面化学反応に至るのかという量子レベルでの分子情報伝達の解明を目指して、研究を推進している。本課題では、特に表面に入射する酸素分子やエチレン分子の配列に着目して、引き続き起こる表面化学反応への効果を調べている。本年度は以下の2研究項目を行った。1.現有している金属表面研究のための反射赤外吸収分光装置の調整を行った。Cu(210)ステップ表面のエチレン吸着系を利用して微小信号を安定して測定できるように調整した。この表面では(410)表面と異なりエチレン分子が解離吸着しないことを新たに見出した。このことはステップ制御により反応制御可能であることを示している。パージガスの供給システムを改良することにより前年度に比して安定したスペクトルを測定可能となった。金属表面で微少な分子配列効果測定が可能な安定度まで調整できたと考えている。2.表面に入射する分子の配列選択用の高分解能速度選別器を備えた連続分子ビーム源を組み立て、調整を行った。パルス分子線源ではビームの素性が悪いため連続分子源を使用することにした。連続分子線源をもとにした新しい高輝度の配列分子線源の高分解能速度選別により、分子の回転運動の回転軸が表面に平行な車輪型か垂直なヘリコプター型かを効率よく制御できると考えている。装置の微調が非常に難しいため改良する部品作製を行った。また、超高真空チャンバーに接続するためのバッファーチャンバーの製作と組み立てを行った。本年度は、以上の2項目の研究により今後の研究を大きく展開する上でのステップは、クリアできたと考えている。
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