2011 Fiscal Year Annual Research Report
配列状態制御分子ビームを用いた銅ならびに銀表面の化学反応ダイナミクス
Project/Area Number |
22655005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡田 美智雄 大阪大学, 科学教育機器リノベーションセンター, 教授 (30281116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋之口 道宏 大阪大学, 科学教育機器リノベーションセンター, 助教 (60377801)
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Keywords | 表面界面物性 / 原子・分子 / 超薄膜 / ナノ材料 |
Research Abstract |
入射分子のもつ並進エネルギーや内部状態といった初期条件が、金属表面、特に銅表面でどのように維持伝達され、表面化学反応に至るのかという量子レベルでの分子情報伝達の解明を目指して、研究を推進している。本課題では、特に表面に入射する酸素分子やエチレン分子の配列に着目して、引き続き起こる表面化学反応への効果を調べている。本年度は以下の2研究項目を行った。1.前年度に調整した金属表面研究のための反射赤外吸収分光装置を用いて、Cu(210)ステップ表面のエチレン吸着系について、分子線実験のための予備実験を行った。金属表面で微少な分子配列効果測定が可能な安定度まで調整できたと考えている。金属表面で微小な分子配列効果測定が可能な安定度まで調整できているので、配列分子線源と接続して分子配向効果の観察を試みる調整を継続して行っている。2.前年度に引き続き、表面に入射する分子の配列選択用の高分解能速度選別器を備えた連続分子ビーム源の組み立ておよび調整を行った。連続分子線源をもとにした新しい高輝度の配列分子線源の高分解能速度選別により、分子の回転運動の回転軸が表面に平行な車輪型か垂直なヘリコプター型かを効率よく制御できると考えている。装置をほぼ完成することができたが、装置の微調が非常に難しいためデータを測定することはまだできていない。本研究により今後の配向・配列分子線を用いた研究を大きく展開する上での基盤作りは、クリアできたと考えている。
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