2011 Fiscal Year Annual Research Report
ハロアセチレンへの効率的な求核付加反応の開発と利用
Project/Area Number |
22655014
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
占部 弘和 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (10176745)
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Keywords | インドール / 求核付加反応 / スルホンアミド / テトラヒドロフラン / パラジウム / ハロアルキン / ピロール / ヘテロ環化合物 |
Research Abstract |
以下の通り、本年度の交付申請書に記載した「研究の目的」・「研究実施計画」について当初の予定をほぼ達成した。 1.N-アリル-、N-ベンジル-、あるいはN-アリールスルホンアミドと種々の1-ハロ-1-アルキンをDMF中K_3PO_4共存下で加熱するだけで、前者の後者への求核付加反応が収率良く進行し、それぞれcis-2-[アリル(スルホニル)アミノ]-1-ハロ-1-アルケン(1)、cis-2-[ベンジル(スルホニル)アミノ]-1-ハロ-1-アルケン(2)、cis-2-[アリール(スルホニル)アミノ]-1-ハロ-1-アルケン(3)が位置かつ立体選択的に得られた。 2.1-ハロ-1-アルキンに対する(分子間の)アルコール付加は、上記の反応条件を含めて種々検討してもほとんど進行しなかった。しかし、分子内のアルコール付加、すなわち5-ハロ-4-ペンチン-1-オール誘導体を1.の反応条件で処理すると水酸基のハロアセチレンへの付加が進行し、cis-2-(ハロメチレン)テトラヒドロフラン誘導体が位置かつ立体選択的に得られた。さらに、この反応を前年度に報告したスルフィン酸塩共存下でおこなうと、ハライドがスルホニル基で置換されたcis-2-(スルホニルメチレン)テトラヒドロフラン誘導体が一挙に収率良く得られた。 3.1.で得られた付加体1にPd触媒を作用させると、ビニルブロミドとオレフィン間での分子内Heck反応が進行し、芳香化ののち、N-スルホニルピロールが収率良く得られた。同様に、1.で得られた付加体2あるいは3にPd触媒を作用させると、今度はC-H結合活性化を経てビニルブロミドと芳香環の間で環化し、N-スルホニルインドール、インドール、ベンゾチアジン1,1-オキシド、あるいはN-スルホニルジヒドロイソキノリン類が収率良く得られた。1.と3.の反応はワンポットで連続して行うこともでき、この一連の反応は上記のヘテロ環化合物の簡便な合成法を提供する。
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Research Products
(7 results)