2011 Fiscal Year Annual Research Report
ブロック共重合体における結晶相と液晶相の規則的配置と記憶メディアへの応用
Project/Area Number |
22655073
|
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
塩見 友雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10134967)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 宏樹 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (80313568)
|
Keywords | ブロック共重合体 / ミクロ相分離 / 結晶化 / 液晶化 / UV応答性 / 光パターニング / 時分割小角X線散乱 |
Research Abstract |
紫外線(UV)照射によってtransからcisへ光異性化するアゾベンゼンをメソゲン基とする側鎖型液晶性高分子は、trans-cis異性化により液晶-等方相転移を生起する。この液晶性成分鎖と非晶性成分鎖としてpoly(n-butyl acrylate)(PBA)あるいはpolystyrene(PS)からなるブロック共重合体について、ラメラ状とシリンダー状のミクロ相分離形態を有するものおよびメソゲン基と主鎖の間のスペーサー長(メチレン基の数x)の異なるもの(x=6,8,11)をリビングラジカル重合により合成し、温度による液晶相転移およびUV照射のOn/Offによる等方-液晶相転移に伴うミクロ相分離構造の変化および恒等周期の変化について明らかにした。まず液晶性ホモポリマーにおいて、UV照射/非照射により等方-液晶相転移が起こることが確認された。PBAを非晶性成分鎖とするブロック共重合体は、液晶化により、ラメラからシリンダー状、シリンダーからラメラ状へミクロ相分離構造が変化するものがあることが観察され、また全てにおいて、ミクロ相分離構造の恒等周期は液晶化により増大し、その変化は1nm-3nmであった。UV On/Offによる等方-液晶相転移に伴うミクロ相分離恒等周期の変化は可逆的であり、スペーサー長の長いほどその変化量は大きい傾向を示した。また、そのUV応答速度は、20-30秒であった。一方、PSを非晶性成分鎖とするブロック共重合体は、分子量のそれ程大きくない試料において、等方状態においては、ミクロ相分離を生ぜず無秩序状態にあるが、液晶化によりミクロ相分離構造が生じるという秩序-無秩序転移(ODT)が観察された。UV On/Offにおいても、ミクロ相分離構造の消失・出現が生じた。このODTの光応答性は初めて見出されたものである。以上見出されたミクロ相分離構造のUV応答性は、記憶メディアへの可能性を示すものであると考えられる。
|