2010 Fiscal Year Annual Research Report
複合顕微鏡による高温下でのナノ接点・接合形成のその場観察・解析
Project/Area Number |
22656012
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
富取 正彦 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 教授 (10188790)
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Keywords | ナノコンタクト / 表面・界面物性 / 走査プローブ顕微鏡 / 走査電子顕微鏡 / 物性実験 |
Research Abstract |
本研究の目的は、2物体の間隔を正確に制御できる走査型プローブ顕微鏡(SPM)技術を利用して、2つの微小物体を高温状態で接近・接触・溶融合・分離させること、および、その際の電気・力学特性を計測し、その過程と構築されるナノ接点・接合を直視的に観察・解析することである。この操作・観察・解析には、超高分解能電界放射走査型電子顕微鏡(SEM)と組み合わせた独自開発ペンシル型SPMを用いる。この装置で、試料とSPM探針の1000℃以上の加熱、接近・接触・溶融合を実現し、さらに引離すことによってナノ結晶を引上げ成長させる。また、探針で試料を局所的に加圧しGPaオーダの圧力を静・動的に発生させる。本研究により、ナノデバイスに要求される電気的ナノ接点構築の基礎(ナノ合金・界面科学技術)を発展させる。 本年度、このSEM-SPM複合顕微鏡装置の機能に改造を加えながら、SPM試料部の小型加熱ヒータ(Wフィラメント)を改造し、高発熱効率でコンパクトなものを試作した.このヒータに付着させたGe粒子を溶融できること、その部位へ探針を接触させ、探針先端にGeのナノピラーを形成できることは確認した.そこで、このヒータに塗布したグラファイト(アクアダック)を加熱(1500℃)しつつ、Pt-Ir探針でその部位を加圧した。その後、SEMに付属したEDXによって分析し、探針先端に凝固した炭素付着物を確認した。高温・高圧下でグラファイトのsp2配置はsp3配置に変化することが知られている。即ち、グラファイトからダイヤモンドへの相変化である。形成された構造物を、空間分解能が高い走査型オージェ電子分光顕微鏡(SAM)で分析した。相に依存した炭素のオージェ電子の化学シフトを調べたが、ダイヤモンド形成を支持する結果は得られなかった。本装置の能力を示すことはできたが、温度・圧力の不足が挙げられる。
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Research Products
(2 results)