2011 Fiscal Year Annual Research Report
形状適応機能を有する次世代内視鏡のためのヒモ形アクチュエータの開発
Project/Area Number |
22656042
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉田 和弘 東京工業大学, 精密工学研究所, 准教授 (00220632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 眞一 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (10092579)
金 俊完 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教 (40401517)
嚴 祥仁 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教 (20551576)
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Keywords | 先端機能デバイス / マイクロマシン / 知能ロボティクス / 流体 / 医療・福祉 / アクチュエータ / ERF(電気粘性流体) / センサ |
Research Abstract |
本研究課題では,次世代内視鏡のために,ER(電気粘性)流体を応用した形状適応機能を有するヒモ形アクチュエータの提案および開発を行う.平成23年度に得られた主な成果は以下のとおりである. (1)形状適応ユニットの基本設計: ヒモ形アクチュエータを構成する形状適応ユニットは,印加電界によりER流体の圧力を制御する可変ERバルブの電極間隔を接触力に応じて変化させ,それに伴う圧力変化で流体アクチュエータを駆動し接触からの回避を行うことで形状適応機能を実現する.まず,内視鏡を屈曲させる流体アクチュエータおよび可変ERバルブから成る形状適応ユニットの基本設計を行った. (2)接触力をアクチュエータ駆動圧力に変換する可変ERバルブの試作および特性実験: 本デバイスでもっとも重要な構成要素は可変ERバルブであり,小さな接触力を大きな圧力変化に変換する高い感度が必要である.そこで構造はやや複雑ではあるが,圧力変化範囲を大きくとることができる3ポート形の可変ERバルブのラージモデルを設計,試作し,特性実験を行った.試作バルブの大きさは16mm×11mm×12mmである.まず,可動電極の変位と制御圧力の関係の静特性を測定し,0.4mmの変位に対し70kPaの圧力変化を繰り返し発生することができることを確認した.次に,可動電極の駆動力を測定した.その結果,圧力の偏りにより可動電極を支持する摺動部に作用する摩擦力により約1Nの大きな駆動力が必要であるという問題を見出し,摺動部がない構造の可変ERバルブの設計を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付申請書に記した「形状適応ユニットの試作および特性実験」について,その主要構成要素である可変ERバルブを試作,実験した結果,感度を向上する必要性を見出し,その改良を中心に行った.そのため,これを用いた形状適応ユニットへの展開にはまだ至っていない.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,感度の高い可変ERバルブを実現するとともに高機能な屈曲形マイクロアクチュエータの開発を行い,形状適応ユニットラージモデルの実現およびそのマイクロ化を行い,形状適応機能を有するヒモ形アクチュエータの実現を図る.
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