2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22656050
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤田 修 北海道大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10183930)
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Keywords | 燃焼 / バイオマス / 固体燃料 / 表面燃焼 / 熱分解 / 着火 / 熱伝導 / カーボンニュートラル |
Research Abstract |
1.端面燃焼実験装置によるバイオ原料由来固体燃料の基本燃焼特性 昨年度、直径48mm(長さは任意)の円柱状固体燃料を順次繰り出し、その端面に対向して燃焼用空気を衝突させることで、端面を連続的に燃焼させる装置を構築した。本年度は、この装置を用い、供給空気温度、空気流速を主な実験変数として、定常端面燃焼実現の可否について研究を行った。その結果、873Kに予熱した高温空気により初期着火を行った後に、予熱を停止し空気温度を常温に低下させても自律的な燃焼を継続できる条件の存在することが示された。自律的な燃焼を継続できる条件は、空気流量が450NL/min(流速0.95m/s相当)以上であり、基本的に空気流量が大きいほど安定した燃焼を継続できた。次に、燃焼継続中の試料内部の温度分布を詳細に測定したところ、空気流量が450NL/min~550NL/min(流速1.16m/s相当)では、内部の温度分布が時間と共に変化し、定常状態とはならないことがわかった。一方、流量が650NL/min(流速1.38m/s相当)以上の時は内部の温度分布が時間的にほとんど変化せず、定常燃焼が実現できることを示した。このように、ある流速以上でなければ定常燃焼が実現できない要因としては、(1)空気流速により固体表面への酸素供給が支配されておりこれが端面での発熱強度を決定している、(2)端面の発熱が輻射や内部熱伝導による熱損失に対し十分大きい、ことが考えられ、この考察に基づき並行して数値計算を進めた。 2.数値計算モデルの構築と熱分解特性値の取得 前年度から燃焼現象を模擬する一次元数値計算モデルの構築を継続して進めた。まずは、計算の基礎となる固相内部の熱分解パラメータ(前年度取得のデータ)を用いて、実験で得られた質量減少速度の計算を行い、実験と極めてよく一致する結果を得た。また、このパラメータおよび上述の物理的考察を考慮した計算を行い、端面燃焼が定常的に継続しうることを示した。
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Research Products
(6 results)