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2011 Fiscal Year Annual Research Report

組織に熱的損傷を与えない細胞膜電壊治療技術

Research Project

Project/Area Number 22656053
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

高松 洋  九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (20179550)

Keywordsエレクトロポレーション / IRE / 細胞膜電壊療法 / 電気穿孔 / 生体疑似組織 / 三次元培養 / 細胞壊死 / 電場解析
Research Abstract

本研究は,細胞にパルス電圧を印加して細胞膜を破壊するエレクトロポレーションを癌などの組織中の細胞に適用する新しい治療法の開発に関するものである.この方法で重要な点は,穿刺した2本の電極間の細胞が確実に破壊され,かつ,ジュール発熱による組織(細胞外基質)の熱的損傷が生じない条件を決定することである.そこで,昨年度,三次元数値解析により電位および温度分布の予測を行うとともに,感温性インクを用いた極短時間温度上昇の検出法を確立したのに続き,本年度は,エレクトロポレーションの模擬実験を行った.その成果は以下のとおりである.
繊維芽細胞MH3T3をアガロースゲル中に分散包埋した生体疑似組織を作成し,それに軸間距離5mmで穿刺した2本のステンレス電極間にパルス幅10μsの1000V矩形パルス電圧を繰り返し印加した.その後,電極と直交する断面の薄片試料を作製してcalcein AMとPIで二重染色して蛍光観察を行い,細胞の生死判定を行った.その結果,電極間とその周囲に瓢箪型の壊死範囲が拡がっていることが確認できた.そして,その面積は印加回数とともに増加して45回でほぼプラトーに達し,さらに印加回数を増やすと再び増加した.一般に,細胞膜の不可逆穿孔のためには細胞膜に約1V以上の電圧を印加する必要があると考えられており,平均直径16μmのNIH3T3の場合にその条件を満足すると考えられる領域を電場解析により求めたところ,このプラトーに達した場合の壊死範囲とほぼ一致した.細胞壊死範囲がほぼプラトーに達した後,印加回数の増加とともに再び壊死範囲が増加したのは,細胞の破壊により生体擬似組織の電気的特性が変化したことが原因と推測されるが,この点および細胞膜穿孔プロセスの解明は今後の課題である.

  • Research Products

    (2 results)

All 2011

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 感温性インクを用いた生体擬似組織の極短時間温度上昇の計測2011

    • Author(s)
      吉井峻, ほか
    • Organizer
      日本機械学会熱工学コンファレンス2011
    • Place of Presentation
      静岡大学(浜松)
    • Year and Date
      2011-10-30
  • [Presentation] 細胞膜電壊療法における組織の凍結シミュレーション2011

    • Author(s)
      野村征爾, ほか
    • Organizer
      第48回日本伝熱シンポジウム
    • Place of Presentation
      岡山コンベンションセンター(岡山)
    • Year and Date
      2011-06-03

URL: 

Published: 2013-06-26  

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