2010 Fiscal Year Annual Research Report
粘弾性/圧電フィルム層ユニットを有するCFRP積層材の制振/耐損傷性能評価
Project/Area Number |
22656056
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 浩治 千葉工業大学, 工学部, 准教授 (70322427)
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Keywords | ダンピング / 耐損傷設計 / 粘弾性 / 圧電フィルム / 複合材料 / FRP |
Research Abstract |
本研究では,軽量・高強度構造材として注目されている炭素繊維強化プラスチック(CFRP)積層材へ,粘弾性素材と圧電素材を組み合わせた新たな層ユニットを導入し,その制振/耐損傷性能の飛躍的な向上及び機能化/知能化を目指す.その為に,この粘弾性/圧電フィルム層ユニットによるCFRP積層材の制振/耐損傷性能向上のメカニズムについて,主にモードひずみエネルギ(MSE)法的アプローチをとりながら,綿密なる試験測定,数値解析(有限要素法(FEM)による構造一圧電連成解析)の両面を駆使し探究する。 本年度は,まず,FEM数値解析から,粘弾性/圧電フィルム層ユニットの性能を評価・検討した.数値解析には,汎用有限要素法解析コードANSYSを用いた.解析モデルのサイズは,長手方向200mm,幅10mmのCFRP積層はりである.粘弾性/圧電フィルム層ユニットとして,TYPE-A:粘弾性一圧電一粘弾性(3層)およびTYPE-B:粘弾性-圧電-粘弾性-圧電-粘弾性(5層)の2種類を検討した,本数値解析の結果より,印加電圧に応じた圧電層の伸縮にともない粘弾性層中に大きなせん断ひずみを発生させることができていることを定量的に確認した。MSE法によれば,粘弾性層へのこのような大きなせん断ひずみの蓄積が示されたことは,構造体全体としての制振性能・耐損傷性能の向上が期待できることを示唆している。さらに,加振試験およびハイスピードカメラ動画解析により,層間はく離損傷したCFRP積層供試体の振動減衰特性を詳しく測定し,本研究において提唱する粘弾性/圧電フィルム層ユニットの制振/耐損傷性能を実測するための計測装置の設計・製作,およびその動作確認までを実施することができた。
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