2010 Fiscal Year Annual Research Report
量子効果/弾性波複合機能集積体における空間周波数ロッキングとその応用
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22656080
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
前澤 宏一 富山大学, 理工学研究部(工学), 教授 (90301217)
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Keywords | 共鳴トンネル / 弾性波 / 表面音響波 / 伝送線路 / 異種材料集積 / InP / 増幅器 / 発振器 |
Research Abstract |
格子歪は伝導帯変形ポテンシャルを介して伝道帯端のエネルギーを変調する。この効果は通常非常に小さく、電子デバイスに与える影響は小さい。本提案では、音響波と素子の相互作用を強くするため、電気機械結合定数の大きな水晶基板上に半導体素子を集積化する。さらに、RTDを分布定数化した伝送線路を構成し、表面音響波を作用させることでその効果を増大させることを試みる。これにより、表面音響波によるダイナミックな周期構造と素子中を伝播する超高周波電気信号の結合という新しい効果が期待できる。 本年度は上記現象を実現するためのプロセス技術の検討を進めた。水晶基板上にInP基板上で作製した共鳴トンネルデバイスブロックをFSA法により配置、配線し、共鳴トンネル分布定数線路を作製するためにFSA(Fluidic Self Assembly)法の検討を進めた。この方法は予め作製した微小デバイスブロックを溶液中で配置するものである。寄生成分の少ない配置方法とそのためのデバイスブロック作製法の検討を進めた。また、ブロックの配置と共に電気的接続を行うための微小金属バンプの作成技術についても検討を進め、最小直径2μmの低融点金属バンプの作製に成功した。 さらに、RTDを装荷した伝送線路の特性についてもシミュレーションにより検討を進め、増幅器としてのゲインと安定条件との関係を明らかにした。また、逆に発振が起こる条件についても検討を進め、これが高調波発振器として有望であることを明らかにした。
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