2011 Fiscal Year Annual Research Report
磁気光学フォトニック結晶を用いた超低電圧光スイッチの研究
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22656084
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
横山 新 広島大学, ナノデバイス・バイオ融合科学研究所, 教授 (80144880)
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Keywords | 光スイッチ / フォトニック結晶 / 磁気光学材料 / 電子ビーム露光 / SOIウェハ / ばらつき |
Research Abstract |
本研究の目的は、我々の研究グループで実績のある磁気光学材料、ビスマス鉄ガーネット(Bi_3Fe_50_<12>:BIG)を用いて、mVレベルで動作する極低電圧光スイッチを実現することである。フォトニック結晶の光学バンドギャップ付近で光速が遅くなることを利用して大きな磁気光学効果を発現させこれを達成する。研究課題は以下の3項目である。(1)磁気光学材料フォトニック結晶光導波路の作製技術の確立、(2)磁気光学材料フォトニック結晶共振器の作製技術の確立、(3)磁場印加フォトニック結晶光スイッチの作製技術の確立。平成23年度は、上記の内、フォトニック結晶作製技術の開発を行った。 まず、BIGに先立って、実績のあるシリコンを用いてフォトニック結晶作製技術を開発した。110nm酸化したSilicon on Insulator(SOI)基板を用い、電子ビーム露光により、直径200nmの孔を周期400nmで配列したフォトニック結晶を作製した。ネガレジストを用いると円孔の周りの複雑な形状に電子ビームを走査するため近接効果により像がゆがみ、きれいな円を描くことができない。これに対してポジレジストでは円状に電子ビームを描くのできれいな円を描くことができた。露光量を調節することにより円半径の最もばらつきの少ないドーズ量が110μC/cm^2であり、このときの直径は295~305nmに分布することを見出した。エッチングによりSi層に孔を形成しフォトニック結晶を作製した。電子ビーム露光装置の状態が悪く(絞りの汚れによるチャージアップが原因)、フォトニック結晶共振器に接続された入出力用の導波路にくびれが生じ、光損失が大きく出力光を観測することができなかった、電子ビーム露光装置の保守・クリーニング作業完了後再挑戦する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、予定していた3つの開発項目のうち、2つがほぼ完了し、ほぼ予定通りに進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
問題であった電子ビーム露光装置の保守クリーニング作業が終了したので、今後は、シリコンでのフォトニック結晶の作製方法の確立、さらに磁気光学材料でのフォトニック結晶の作製法の確立、さらにそれを用いて光スイッチの作製につなげていく予定である。
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