2011 Fiscal Year Annual Research Report
地震時に液状化地盤中を伝播する重力波による構造物への影響について
Project/Area Number |
22656103
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
澤田 純男 京都大学, 防災研究所, 教授 (70187293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 晋 日本大学, 工学部, 教授 (40307806)
古川 愛子 日本大学, 工学研究科, 准教授 (00380585)
鍬田 泰子 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (50379335)
後藤 浩之 神戸大学, 防災研究所, 助教 (70452323)
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Keywords | 重力波 / 表面波 / 液状化地盤 / 軟弱地盤 / 基礎構造物 |
Research Abstract |
通常の地盤のように固体と考えられる媒質では,表面に沿って表面波が励起して伝播することが知られている.一方,水のような液体では,液面において海の波のように重力の影響による波,すなわち重力波が励起して伝播する.液状化地盤や軟弱な堆積層の地表面に波が励起する場合,単純に固体として考えることも液体として考えることもできないため,その中間的な性質をもつような波(重力波)の存在が考えられる.具体的には,重力の影響を受けて通常の表面波と小田なる特徴を有する波となることが考えられる.そこで,本研究では,地盤材料の非線形性,得に液状化による影響を考慮して,地表を伝播する重力波の存在と,その性質について議論し,種々の地中構造物や地上構造物に与える影響について検討している.昨年,東北地方太平洋沖地震が発生し,東北地方から関東地方にかけての広い範囲で液状化被害が報告されている.特に東京湾沿岸部と茨城県霞ヶ浦周辺では液状化被害が深刻であった.昨年度はその被害調査も実施し,被災メカニズムの分析を進めている.また,基礎的な事項として,S波速度が有限値である固体のように振る舞う地盤から液体のように振る舞う液状化状態までを統一して記述できる支配方程式を定式化し,これを反映した非線形有限要素法,有効応力解析プログラムの開発を続けている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在,論文投稿準備中の解析手法を含めて,順調に進められていると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
液状化した地盤に対する検討を進めるために,非線形有限要素法を用いて数値解析を実施する.また,東北地方太平洋沖地震で確認された重力波による影響と考えられる様々な事象に対して検討を行う.
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Research Products
(5 results)