2010 Fiscal Year Annual Research Report
MRIによる高齢者等の自動車運転挙動定量化解析と安全運転対策
Project/Area Number |
22656114
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
朴 啓彰 高知工科大学, 地域連携機構, 客員教授 (60333514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 靖彦 高知工科大学, 地域連携機構, 教授 (10368855)
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Keywords | 交通事故 / MRI / 白質病変 |
Research Abstract |
一般ドライバの運転挙動と脳組織変化との関連性を調べるために、一般ドライバと同質サンプリングと考えられる脳ドック受診者ドライバの事故頻度と頭部MRI所見(白質病変)との関連性を多変量解析した。平成21年9月から平成22年6.月までの脳ドック受診者2193名(男性1196名、女性997名、平均年齢53±9.67歳)を対象に、過去3年間の自動車事故歴について面談形式のアンケート調査を行った。頭部MRIを同日試行し、白質病変グレードと照合した。白質病変グレードは、脳ドックガイドラインに準拠して5分類(GO-4 ; G2以上からは両側性病変となる)とした。白質病変の有病率は31.7%であった。過去3年間で自損・物損・人身事故など自動車による事故を経験した者は136名であった。このうち自損・物損を小さな事故(主に駐車場内の接触事故)とし、人身事故・大きな物損事故(主に交差点での走行中の衝突事故)または自損・物損でも繰り返している場合を大きな事故として定義した。小さな事故は108件、大きな事故は28件認めた。白質病変の無いグループ(GO)の事故率は、小さな事故では5.4%であり、大きな事故では0.93%であった。白質病変の有るグループ(G1-4)の事故率は、小さな事故では3.9%であり、大きな事故では2.01%であった。白質病変と小さな事故、大きな事故の各々に対して多変量ロジスティック解析を行い、白質病変(両側性)の有無と小さな事故との年齢調整オッズ比では有意な関連性を認めなかったが、大きな事故では年齢調整オッズ比が2.937(95%信頼区間1.260-6.847 ; P=0.013)となり、高い関連性を示した。
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Research Products
(4 results)