2011 Fiscal Year Annual Research Report
MRIによる高齢者等の自動車運転挙動定量化解析と安全運転対策
Project/Area Number |
22656114
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
朴 啓彰 高知工科大学, 地域連携機構, 客員教授 (60333514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 靖彦 高知工科大学, 地域連携機構, 教授 (10368855)
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Keywords | 交通事故 / MRI / 白質病変 |
Research Abstract |
我々は、一般ドライバーと同質サンプリングと考えられる脳ドック検診者2193名(男性1196名,女性997名;平均年齢53.84±9.67歳)を対象として、過去10年間における交通事故歴に関するアンケート調査を行い、頭部MRI所見、特に無症候性白質病変と交通事故との有意の関連性を昨年度に報告したが、主に交差点での走行中の衝突事故など大きな物損事故に対して白質病変は、グレードに応じて有意の高い関連性を示した(年齢調整オッズ比は2.937(95%信頼区間1.260-6.847;P=0.013}。 白質病変は、軽度でも両側性に存在すれば、視覚情報処理能力や注意機能の反応速度が有意に低下することを既に報告しているが、白質病変によるこれらの高次脳機能低下が、白質病変ドライバーと交通事故との因果関係を説明するものと推察された。因って、脳ドック受診者1150名(男性642名、女性508名、平均年齢52.1±8.9歳)に対して、警察庁方式CRT運転適性検査のアクセル・ブレーキ反応検査結果と白質病変との関連性を調べた。アクセル・ブレーキ検査は、円状の青色、黄色、赤色の表示に対して、右足のみで反応動作を行い(青色はアクセルペダルを踏み続け、黄色はアクセルペダルを離し、赤色はブレーキペダルに踏み替える動作を計50回施行)、選択的反応動作の速さ、反応むら、反応動作の正確さを測定する検査である。見落としや間違えた誤反応数は3を、平均反応、反応幅、変動率はROC曲線から各々840、400、15をカットオフ値にして、白質病変の有無とのオッズ比を求めると、誤反応数と変動率のみが有意であった。誤反応数では、オッズ比1.530(95%信頼区間;1.094-2.140、有意確率0.013)であり、変動率では、オッズ比1.348(95%信頼区:0.991-1.834、有意確率0.013)であった。
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Research Products
(5 results)