2011 Fiscal Year Annual Research Report
高保持力・高加工性を有するマンガン・ガリウム磁石の可能性
Project/Area Number |
22656149
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
貝沼 亮介 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20202004)
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Keywords | ハード磁石材料 / 希土類フリー / 状態図 / 規則-不規則変態 / 磁気変態 |
Research Abstract |
【研究目的】現在広く実用されている希土類磁石には、Nd,Dy,Sm等特定国に産出が限定された戦略物質が含まれており、これらを含まない高性能磁石の必要性が叫ばれている。その中で、高い磁化が期待できるMnを主成分とした強磁性化合物は魅力的である。そこで、本研究では、DO_<22>やL1_0相等の安定な強磁性(フェリ磁性)相が出現するMn-Ga基系に着目して、その合金組成や時効熱処理条件を幅広く変化させ、フェライト磁石レベルの在留磁化と10kOe以上の保持力を有する新しいMn系磁石の開発を目指す。 【研究実施計画】 (1)合金探索 合金組織を作り込むために行った実験の結果、合金探索の基本である状態図がMn-Ga2元系ですら全く誤っていることが判明した。そこで、遠回りではあるが、Mn-Ga2元系状態図の実験的な決定も同時に行った。その結果、高い保持力が期待されるγMn->DO_<22>への変態は、hcp相の出現のため20%以上の高Gaでは得られないことが判明した。そこで、Mn-Ga-Co,Mn-Ga-Cu,Mn-Ga-FeについてもγMn+hcp平衡について調査したが、いずれもhcp相を不安定化させることは無かった。Mn-Ga-Cu系では、幾つかの合金組成で調査したところ、磁化は低いものの破磁力が10kOeにも達する合金を見出した。 (2)圧縮応力場中および磁場中時効処理による組織配向 Mn-Al-C磁石と同じhcp->DO_<22>への変態を生じるMn-Ga試料に対し、VSMを用いてキュリー温度以下における磁場中時効処理を行った。しかし、磁気的な異方性はほとんど出現しなかった。また、一軸圧縮応力下における応力場中時効処理を行い、組織の配向や磁気特性の異方性を調査したが、多少の配向は確認されたものの磁気的な異方性はさほど顕著に出現しなかった。
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Research Products
(2 results)