2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22656152
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
杉山 和正 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (40196762)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志村 玲子 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (90420009)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | amorphous metals |
Research Abstract |
従来の結晶には存在しない対称性を持つ準結晶の研究過程で、数ナノメータサイズにも達する正20面体アトムクラスターが発見された。そして最近では、金属ガラスの物理化学的特性と正20面体アトムクラスターとの関連性も強く指摘されている。すなわち、前世紀後半から急速に注目を集めてきた準結晶および金属ガラスなどランダム系金属材料の特性を理解するキーポイントは、通常の結晶には存在しない正20面体アトムクラスター構造にあると考えられる。そこで本研究は、優れた材料特性を示す金属ガラスの構造解明という研究分野に、”金属ガラス近似結晶“という新しい研究指針を萌芽させ、金属ガラスに存在する正20面体アトムクラスター構造と金属材料の物理化学的特性との関連性を解明することを目的とした。 本年度は、前年度に継続して非晶質金属の構造解析を実施した。特に金属-非金属系非晶質金属の構造解析を積極的に行い、Pd-Ge、Pd-PおよびPd-Siなどの非晶質合金においては、金属-金属系非晶質合金に観測される正に二十面体クラスターは存在せず、従来より提唱されている三角プリズム型局所構造単位が卓越することを明らかとした。本結果は、これまで本研究プロジェクトで解明してきた金属-金属系非晶質合金に存在する原子クラスター構造が構成元素の原子寸法比で説明できるという結論と矛盾せず、非晶質金属に存在する局所構造単位は、原子寸法比によって決定されているとの結論を得ることができた。すなわち、金属-金属系非晶質合金に観測される正二十面体アトムクラスターは、結合性の強い原子間結合に起因するものではなく、個々のサイズの原子がランダムにかつ密度の高い状況で配列するDRP構造の特徴であると結論することができた。また本年度は、正二十面体クラスターを有する準結晶近似結晶の構造解析も積極的に推進し、国際学会で成果を発表している。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|