2010 Fiscal Year Annual Research Report
表面傾斜微細孔組織を利用した傾斜接合材料創製プロセスの開発
Project/Area Number |
22656173
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 敏宏 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10179773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝山 茂 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00224478)
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Keywords | 表面傾斜孔径分布 / 酸化還元 / Cu |
Research Abstract |
本研究は、FeやCuなどの金属表面を空気中で酸化して、表面の極近傍に100ミクロン程度の厚さの酸化物層を作製し、続いてH_2を含むガス雰囲気を利用してこれらの酸化物層を還元し、金属基板表面に微細孔層を形成させる手法に基づいている。この際得られた微細孔は互いに繋がっているため、試料の一端に基板とは互いに溶解しにくい液体金属を接触させると、この液体は、これらの表面微細孔層に浸透し、濡れ広がる。本研究では、この手法で得られる表面微細孔組織中の穴の大きさ分布に傾斜を持たせる手法を検討するとともに、得られた表面微細孔層とセラミックスとの接合等を行うものである。今年度は、Cu基板を用いて、様々な酸化温度ならびに還元温度において、Cu基板表面に形成させる微細孔組織の孔の大きさ、分布等を詳細に調べた。その結果、次の知見が得られた。1)一旦酸化した層は還元過程において表面から徐々に還元が進行し、微細孔組織が生成する。2)内部に向かって還元および微細孔組織の形成が進む間、それまでに還元・微細孔化した組織は少しづつ焼結が進み、孔の径が大きくなる。3)試料を徐令すると冷却の間に均一な孔径の組織が形成されるが、還元中に急冷した場合には、内部では小さな孔径、表面近傍では、それよりも大きな孔径となり、わずか100ミクロン以内の表面微細孔層の中に孔の大きさに傾斜を持った表面傾斜微細孔組織が形成される。以上の知見に基づいて、本研究の主題である表面傾斜微細孔組織を持つCu基板を作製する実験条件を見出し、その材料作製に成功した。
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