2010 Fiscal Year Annual Research Report
バイオ燃料に適した燃えやすく発熱量の大きい微生物を簡便に選択する新技術への挑戦
Project/Area Number |
22656191
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大竹 久夫 大阪大学, 工学研究科, 教授 (10127483)
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Keywords | 示差走査熱量計 / 油糧微生物 / 燃焼熱 |
Research Abstract |
示差熱・熱重量同時測定装置を用い、大腸菌JM101株、疎水性放線菌R.opacus、酵母Saccaromyces cerevisiae、油糧蓄積カビMortirella alpinaをモデル微生物として、微生物細胞の燃焼開始温度や燃焼時の発熱量などを詳細に計測した。示差熱・熱重量同時測定には、当研究室で保有している島津示差熱・熱重量同時測定装置DTG-60/60Hを用いた。本装置により、試料と基準物質を天秤ビームの両端に配置した支持棒を使用して加熱炉内に保持し、示差熱分析と熱重量分析を同時に実行することができた。また、示差熱分析では、加熱炉内に置いた試料と基準物質とを同時に加熱することにより、試料側で発生する発熱または吸熱量を基準物質との間に生じる温度差により検出することができた。微生物試料への示差熱・熱重量同時測定法の適用に当たっては、試料調製方法、加熱方式やデータ解析方法に留意して技術開発を行った。測定の結果、油糧蓄積カビは大腸菌や酵母などと比較して、測定温度280-360℃の領域で大きな発熱量が観測された。DTA curveのピーク面積より求めた油糧蓄積カビMortirella alpinaの発熱量は、約11.5kJ/gであり、この値は、大腸菌JM101株、疎水性放線菌R.opacusや酵母Saccaromyces cerevisiaeの発熱量の3-5倍も大きいものであった。本実験の結果から、微生物試料の熱測定により、燃えやすく発熱量も大きい微生物を簡便にスクリーニングできる機器開発のヒントを得た。
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Research Products
(2 results)