2012 Fiscal Year Annual Research Report
高温ガス炉熱を利用した高温ヒートポンプ水素製造システム構築研究
Project/Area Number |
22656212
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
深田 智 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (50117230)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 原子炉熱 / 有効利用 / 水素 / 熱効率 / ヒートポンプ |
Research Abstract |
原子炉熱の有効利用のためには炉の高温化により熱から電力への変換効率を上昇させるか、あるいは水素等の他のエネルギー媒体に変換し利用することが必要である。しかし昨今の原子力利用に批判が集まる中、高温熱有効利用の安全性を高めながら転換効率上昇を図る必要がある。 高温ガス炉熱からガスタービンを使い電気エネルギーに転換する際の最大転換効率はカルノーサイクルで支配され、一方電力の使用量変化に追随するため余剰電力を蓄積する必要があり、蓄電池等の余剰設備が必要である.高温ガス炉出口温度は700-900oCと予想され、この熱をガスタービンだけではなく水素の化学エネルギーに直接変換すると上記制限がなくなる。従って、製造水素を燃料電池自動車等への利用と結びつけ、高温ガス炉を多目的利用することが、将来のエネルギー需要に応じた適切な方針と考えられる。水から水素への直接変換法としてヨウ素と硫黄を触媒にしたI-Sサイクルが炉熱利用で検討されているが、この変換効率がそれほど高くなく高効率化が必要である。 本研究では、各種高温融体中に水素吸蔵合金粒子を分散させ、そこへの水素吸収と脱離作用の際に発生する熱を利用し、化学ヒートポンプ作用を施しエネルギー転換効率を高める実験と解析をおこなった。3年の研究の結果、Li含有溶融液体中の分散粒子への水素吸収と脱離作用を確かめるとともに、熱移動を律速するのは高温融体中の水素の移動であり、この拡散過程、水素の吸収脱離平衡過程解明に特に集中して検討した。成果はいくつかの英語論文で発表した。 さらに本方法を有効化するには、水素の利用過程と直接結びつけることと考え、プロトン伝導性酸化物や高分子燃料電池の検討も合わせて行うとともに、製造水素を金属透過管を使い回収することで効率が上昇する可能性が分かり、この点についても成果を英語露文や国際学会等で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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