2011 Fiscal Year Annual Research Report
比較ゲノム解析によるカキの雌雄性制御遺伝子同定へのアプローチ
Project/Area Number |
22658008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田尾 龍太郎 京都大学, 農学研究科, 准教授 (10211997)
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Keywords | 花成 / ゲノムライブラリー / 走査型電子顕微鏡 / 分子マーカー / ポジショナルクローニング / マメガキ / AFLP / BAC |
Research Abstract |
本研究では,カキ(Diospyroskaki)の近縁二倍体野生種であるマメガキ(D.lotus)をモデルに用いた比較ゲノム解析により,栽培ガキにおける雌雄性の遺伝子マーカーの開発と雌雄性の遺伝制御機構の解明を行うことを目的としている.研究最終年度にあたる本年度は,以下の研究を行った. 1)マメガキにおける雌雄性遺伝様式の調査 昨年度までに開花の見られない個体が存在したために,昨年度に引き続いて,マメガキ実生のF1分離集団の雌雄性の調査を行ったところ,雄株と雌株がほぼ1:1の割合で分離していた.しかしながら,まだ開花していない個体が存在すること,ならびに雌株において雄株よりも開花樹齢が高いことが観察されたことから,この1:1の雌雄分離が正しいかどうか,検証の余地は残っている. 2)マメガキとカキにおける花芽分化様相の調査 昨年度に引き続きマメガキの雄株と雌株,雄花と雌花の両方を着生するカキ'禅寺丸',そして雌花のみを着生するカキ'平核無'の腋芽を経時的に採取して,花芽形成を実体顕微鏡とSEMにより観察したところ,雌花より雄花において分化時期が早く,またカキよりマメガキで花芽分化時期が早いことが確認された. 3)バルク法による雌雄性マーカーの開発と雌雄決定遺伝子座領域のマッピング 昨年度に引き続き,マメガキの雄株と雌株をそれぞれ5個体選んでバルクを作製して,AFLP解析を行い,雄株あるいは雌株特異的なバンドを探索し,雌雄性判別のためのAFLPマーカーを同定した.これらALFPマーカーのうち,雌雄性決定遺伝子座に最も近いもののPCRマーカー化に成功した.またこれらマーカーを用いて,マメガキ雌雄性決定遺伝子座領域のラフマッピングを行った.
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