2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22658032
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木村 淳夫 北海道大学, 大学院・農学研究院, 教授 (90186312)
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Keywords | 反応機構 / 糖質分解酵素 / 反応中間体 |
Research Abstract |
糖質の加水分解酵素について2つの反応機構[オキソカルベニウムイオン中間体(OCと略)と共有結合中間体(CBと略)]が知られているが、最近は後者が圧倒的に支持されている。問題は、後者の機構が有機化学的理論に合致しないことである。本研究の目的は、オキソカルベニウムイオン中間体を経由する反応機構の実証である。糖質分解酵素はオリゴ糖を工業生産する重要な作用を示す。新機構により新たな応用研究を発想したが、その可能性を探ることも目的の1つである。計画は順調に進行しており、本年度の成果を述べる。 アンハイドロ-フラクトース(AH-F)の生成:1)AH-F生成の確認:昨年度に精製したグルコアミラーゼ、α-グルコシダーゼおよびβ-グルコシダーゼなどに対し、AH-F生成を確認実験した。これはOCの証拠である。第二次アイソトープ効果の測定:2)酵素反応における本効果の測定:昨年度に調製した重水素基質と軽水素基質に各酵素を作用させ、第二次アイソトープ効果を測定した。ko/Kmの比は1.1を上回り、OCが支持された。触媒残基変異酵素が行うAH-F生成:3)触媒残基の変異酵素によるAH-F生成:1)項でAH-F生成が確認された酵素について、触媒残基の置換酵素を作製し、合成したフッ素基質に置換酵素を作用させ、AH-F生成を確かめた。AH-Fを用いたオリゴ糖合成:4)オリゴ糖合成反応:AH-Fと単糖を用いたオリゴ糖合成反応条件(AH-Fの濃度、単糖の種類と濃度、酵素量など)を検討し、オリゴ糖大量合成・単離を行い、構造を決定した。5)収率100%の合成反応:3)項で作製した触媒アミノ酸の変異酵素を用いて4)項の合成反応を行い、オリゴ糖合成収率を測定した。約90%の値を得た。
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Research Products
(31 results)