2010 Fiscal Year Annual Research Report
超音波風速温度計と細線熱電対を用いた蒸発散量測定システムの開発
Project/Area Number |
22658071
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
松岡 延浩 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 准教授 (80212215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今 久 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 教授 (60153706)
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Keywords | 蒸発散量 / 潜熱 / 渦相関法 / 簡易測定法 / 水田 |
Research Abstract |
農地の蒸発散量,大気-陸面の相互作用に関する研究を行うためには,長期間にわたる熱フラックスの観測が重要である。近年,測器の性能が飛躍的に向上したため,顕熱フラックスや潜熱フラックスを観測するときには一般的に渦相関法が使われる。ここで得られる気温は一般に音仮温度と呼ばれ,湿度の影響を受けるために実際の気温よりも高くなる。潜熱フラックスは,風速の鉛直成分と比湿の共分散に空気密度と水の気化潜熱を乗ずることで得られるが,渦相関法で使用する比湿の観測するためには,高精度で応答性が十分にあり,安定性をもった湿度計が必要である。 本研究では,超音波風速温度計から得られた気温が湿度の影響を受けることを利用して,超音波風速計と細線T熱電対温度計を用いた潜熱フラックスの簡単な評価方法を提案し,その実現を試みた。今年度は,農業環境技術研究所真瀬観測地(茨城県つくばみらい市)と瀋陽農業大学庫倫旗観測点(中国内蒙古自治区)に,超音波風速温度計と細線熱電対を設置し,超音波風速温度計から得られた音仮温度と細線熱電対による実測温度,湿度の関係を調べた。その結果,音仮温度と実測温度の差は,湿度と一次的な関係を示すことが示された。しかし,湿度が低い乾燥地では,S/N比が小さいため精度が悪くなることがわかった(天野他,2011)。 また,千葉大学園芸学部圃場において,音仮温度と実測温度のスペクトルを比較した。その結果,細線熱電対の先端部分が0.05mm以下であれば,顕熱測定が可能であることが示された。
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Research Products
(2 results)