2012 Fiscal Year Annual Research Report
粘性係数の異なる二相流における浸透メカニズムと浸透破壊特性
Project/Area Number |
22658073
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田中 勉 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20144602)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 異温度流体 / 二相流問題 / 浸透破壊 / 一次元浸透破壊 / Prismatic failure / 限界動水勾配 / パイピング / メタンガス |
Research Abstract |
飽和地盤に異温度流体(ここでは水)が流れ込む問題は, 粘性係数の異なる2流体の浸透流すなわち二相浸透流問題として取扱われてきた。飽和地盤への異温度流体の注入問題には, 大きく次の2つに分けられる。「(1) 冷水飽和地盤中への温水の選択的水みちの流れ(前年度)」と「(2) 温水飽和地盤中への冷水による気泡の発生(本年度)」 室内透水試験について考える。定水位透水試験は, 透水係数が大きな試料に対して行われるため, 流量が大きく浸透水として水道水が用いられることから実験中に水温が変化する。また, 大型の装置を用いた浸透破壊実験でも, 多量の水を流す必要があるため, 水道水が用いられることが多い。水道水を用いる場合には, 実験の実施時期や方法によっては水温の変動や変化についての配慮が必要である。 水温調節のない部屋で, 実験前日に供試体を作製し, 水道水を用いて夏期(7月上旬から9月中旬)に透水試験を行う場合, 水温は室温(供試体の温度)より低くなる。供試体中を流れる間に浸透水の水温が上昇することになり, Henryの法則により, 供試体中に気泡が生じやすくなる。水道水を用いた夏期の透水試験が敬遠されるのはこのような理由による。供試体中における空気の発生は, 理論限界水頭差を小さくするので, 実際の現場では危険となる。ここでは, メタンガスによるパイピング発生事例について, 慣用的な方法の一つであるPrismatic failureの考え方を用いて浸透破壊安定解析を行った。そして, 空気間隙率(主にメタンガスからなる)と浸透破壊安全率の関係について考察し, 本事例の地盤安定性を慣用的な安定解析法を用いて評価することが可能であるかについて考察した。浸透水温(地下水の水温)の上昇に伴う気泡(メタンガス)の発生や地盤の掘削に伴う圧力低下がパイピング発生の一因であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)