2011 Fiscal Year Annual Research Report
過敏性腸症候群の診断と最適治療のための非侵襲的大腸小腸運動機能評価システムの開発
Project/Area Number |
22659149
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岡久 稔也 徳島大学, 病院, 講師 (60304515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡元 耕一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (60531374)
芥川 正武 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (90294727)
榎本 崇宏 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 助教 (90418989)
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Keywords | 過敏性腸症候群 / 腸運動機能評価 / 腸電位 / 蠕動音 |
Research Abstract |
本研究は、腸電位と腸蠕動音を24時間同時記録して周波数解析し、大腸と小腸の運動機能を区別して非侵襲的に評価することによって、過敏性腸症候群(IBS)の最適治療を行うための簡便かつ客観的な診断と詳細な新しい病型分類を可能とする大腸小腸運動機能評価システムを構築することを目的としている。腸電位は、ニプロ胃電計EGの記録周波数を12cpmまで広げることによって、大腸と小腸の活動電位を同時に評価できる可能性が示唆された。健常人に対して24時間の腸電位の記録を行い、日常生活を行いながら睡眠、食事、歩行などの影響を検討できることを確認し、腸電位の計測によって大腸と小腸の運動機能を区別して簡便かつ非侵襲的に評価できる可能性が示唆された。腸蠕動音は、前年度に開発した腸蠕動音記録システムを用い、日常生活を行いながら24時間の腸蠕動音収集を健常成人に対して行ったところ、雑音の混入が大きく、雑音と腸蠕動音の識別のために、より精度の高い雑音遮断、腸蠕動音抽出技術の開発が必要となった。そのため、腸蠕動音抽出プログラムの改良を進めるとともに、現時点では安静状態で腸蠕動促進剤を投与後2時間の腸蠕動音を評価する負荷試験を行うことが腸蠕動音の解析に適していると考えられた。この負荷試験により、健常成人とは異なった腸蠕動音パターンを抽出することによってIBSの診断や病態が評価できる可能性が示唆された。今後、腸電位、腸蠕動音の収集・解析システムの改良を進めるとともに、本システムを用いて、IBS症例、炎症性腸疾患症例の腸電位、腸蠕動音データの集積を行い、内視鏡検査時に採取した腸管粘膜を同時分析することにより、感染後IBSを含めたIBSの詳細分類、病態評価における腸電位、腸蠕動音解析の有用性の検討を進める。
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