2011 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪由来幹細胞を用いた肝細胞癌の置換性発育の機序解明に関する研究
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22659243
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
島田 光生 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10216070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇都宮 徹 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (30304801)
居村 暁 徳島大学, 病院, 助教 (90380021)
森根 裕二 徳島大学, 病院, 助教 (60398021)
池本 哲也 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20398019)
坂東 良美 徳島大学, 病院, 准教授 (00238239)
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Keywords | 肝細胞癌 / 置換性発育 / 脂肪幹細胞 / 癌幹細胞 |
Research Abstract |
1.高分化型肝癌の置換性発育の検証:ヒト肝癌切除例のうち高分化型肝癌切除標本を用いて置換性発育フロント部位を中心に幹細胞マーカー(CD44、CD133)による免疫染色を行った。しかし、陽性細胞を認めず有意な所見は認めなかった。一方、Gapjunction protein (Cx32)の染色において、非フロント部位の正常肝細胞はGapに染色されるが、フロント部位の正常肝細胞では細胞質中心に染色される細胞が存在していた。2.Cell contactを介した脂肪由来幹細胞(ADSC)の肝癌細胞増殖に与える影響の検討(肝癌細胞株とADSCの共培養):(1)Cellviability;ヒト脂肪組織から採取したADSC(Stem Pro[○!R])を用いた。HuH7単独培養およびHuH7とADSCの共培養を4日間行った後に、MTT assayによりHuH7のcell viabilityを比較検討したところHuH7単独に比べADRCとの共培養でcellviabilityが増加した。(2)Cell contactの有無での評価;HuH7、ADSCを同一dishに播種し4日間培養し、HuH7とADSCのcell contactを有する領域とcell contactのない領域でtrypanblueを用いてcell viabilityを評価したところHuH7とADSCのcell contactを有する領域ではcell contactのない領域と比較して、有意にHuH7のcell viabilityが高値であった。(3)肝癌細胞に対する液性因子の関与に関する検討;HuH7単独群、HuH7+ADSC共培養群をTrans-well[○!R] Permeable wellを用いて4日間培養し、cell viabililyおよびcell growthを評価した。しかしHuH7単独培養群とHuH7+ADSC共培養群の間にHuH7細胞のcell viabililyや細胞数には差を認めなかった。以上の結果から、脂肪由来幹細胞は肝癌細胞の増殖を増強することが示され、その機序には液性因子(mediator)の関与ではなくcell contactが重要であることが示唆された。今後の研究計画としては、癌細胞により活性化されたADSCが、正常肝細胞とどのようにinteractし癌化していくのかという活性化ADSCと正常肝細胞の相互関係に関しての検討を行っていく予定である。
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Research Products
(20 results)