2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22659306
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
藤枝 重治 福井大学, 医学部, 教授 (30238539)
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Keywords | エクソゾーム / 細胞間連絡物質 / CD9 / MHC classII alpha鎖 / CryJ1 / スギ花粉症 / ペプチド |
Research Abstract |
新しい細胞間連絡物質として注目されているエクソゾームをスギ花粉症患者から分離し、その中にスギ抗原に関する情報が含まれていないか検討した。方法として患者末梢血200mlを採取し、血清を分離した。さらに2回の超遠心処理をし、得られた沈殿内においてエクソゾームが含まれていることが判明した。沈殿物をPBSで溶解し、さらに庶糖密度勾配で14時間超遠心した。13の庶糖密度分画内で1.13~1.19g/mlの濃度分画にエクソゾームが含まれていることを確認できた。そこでこの1.13~1.19g/mlの濃度を示す分画を回収して、抗CD9抗体を用いてウエスタンブロットを行うと、目的とする分子のところにバンドを認めた。さらに抗MHC classII alpha鎖抗体によって同じ様にウエスタンブロットを行うと、濃度は薄いが確実にバンドを認めた。以上のことから遺伝情報を含むエクソゾームの存在は確実となった。そこでスギ抗原であるCryJ1に対する抗体を用いてウエスタンブロットを行ったが、バンドは認められなかった。同様のことをスギ花粉症患者10名において行ったが、いずれの症例でもバンドは認められなかった。 これらのことは、得られたエクソゾームを含む分画にスギ抗原情報が含まれていないのか、それともスギ抗原のペプチドが遺伝情報として含まれているのか、二つの可能性が示唆された。そこでこれまで報告されているいくつかのスギ抗原ペプチドに対する抗体を受託した。できた抗体でエクソゾームが含まれる分画において同様のウエスタンブロットを直ちに行う予定である。今回、考えていた以上に血清中から十分なエクソゾームを回収することが困難であることが、明確にできた。
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Research Products
(6 results)