2010 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞の波状縁形成を誘導するWnt-Ror2シグナル
Project/Area Number |
22659339
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
高橋 直之 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (90119222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 泰浩 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 准教授 (20264252)
上原 俊介 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (90434480)
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Keywords | 破骨細胞 / 極性化 / Wnt / Wnt非古典経路 / Rho |
Research Abstract |
我々は、破骨細胞の極性化にサイトカインWnt5aとその受容体Ror2が関与することを見いだした。そのメカニズムを詳細に解明し、破骨細胞極性化に関わる新規分子を見つけることを目的として、平成22年度は以下の点を明らかにした。 1. Ror2 floxマウスを用いた解析 Cre-recombinase発現ウイルスを用いる方法は、発現効率の点で問題があり、以下の方法に変更した。Ror2 floxマウスとCathepsin K Creマウスを掛け合わせ、破骨細胞特異的にRor2を欠損するマウスを得た。このマウスから破骨細胞前駆細胞を調製し、破骨細胞を得、現在解析中である。 2. 「トランスクリプトーム解析」及び3.「Stable isotopic labeling by amino acids in cell culture法を用いた解析亅については、平成23年度に行う予定である。 4. ウエスタンブロット解析 Dishevelled2及び3の発現とリン酸化を調べたところ、Ror2 KOマウス由来の破骨細胞において、発現レベルは野生型と変わらないものの、リン酸化レベルは低下する傾向が認められた。また、破骨細胞極性化に関するといわれるc-Src及びPyk2のリン酸化についてもRor2 KO破骨細胞で低い傾向にあった。免疫染色により局在の変化を調べたが、プレートで培養したRor2 KO破骨細胞において、これらのタンパク質の局在は、野生型と変わらなかった。Rac及びRhoの活性化について、野生型破骨細胞においては、いずれもWnt5a刺激により活性化されたが、Ror2 KO破骨細胞においては、活性化が認められなかった。 来年度に行う2.3.の解析については、4.の結果を参考にして、着目するタンパク質を絞り込む。
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