2012 Fiscal Year Annual Research Report
乳がん化学療法を受ける患者のバイオマーカーを指標とした運動の効果検証
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22659404
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Research Institution | 独立行政法人国立国際医療研究センター |
Principal Investigator |
外崎 明子 独立行政法人国立国際医療研究センター, 成人看護学, 教授 (20317621)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | がん / インスリン抵抗性 / バイオマーカー / 身体活動量 / 身体組成 |
Research Abstract |
1.乳がん化学療法を受ける患者で先行する本研究者による日常生活活動量促進プログラムを提供されている者を対象に、日常生活活動量とインスリン抵抗性の関連検証研究を計画し、研究代表者所属施設および調査施設の研究倫理審査委員会において承認を2013年3月に得、調査開始体制を整えたところである。適切な身体活動量の維持方法と化学療法の有害事象への対処方法に関して、本研究専任看護師が情報提供を行うプログラムの提供を受けた対象者の、身体活動量(活動強度別活動時間、身体活動レベル、歩行数)、身体組成(筋蛋白量、体脂肪率)、下肢筋力(足関節底屈力、背屈力)を研究開始時および化学療法全クール終了時に測定し、これらと化学療法終了後の治療評価採血により早朝空腹時の血糖値およびインスリン値を測定し、これらよりインスリン抵抗性を算出し、活動量等との関連検証研究とした。 2.2013年3月現在促進支援プログラムに15例が参加登録しており、2013年9月まで調査期間を延長して、これらの対象者より本研究のデータ収集を予定している。 3.先行する日常生活活動量促進プログラムの中間評価では対象者の平均的な1日の身体活動量は2Mets未満の活動時間数が7割近くを占め、座りがちな生活スタイルの者が多い傾向であった。2013年3月に開催されたPrimary Therapy of Early Breast Cancer 13^<th> International Conferenceにおいても乳がん治療後の身体活動量の低さは、乳がん再発率、合併症による死亡率が高いことが報告され、身体活動の促進が推奨されており、本研究成果は日本で初めての乳がん化学療法中の患者を対象とした信頼性・妥当性検証済みの客観的指標を用いた身体活動量計側結果とインスリン抵抗性との関係性を示すものであり、日本人乳がん患者の身体活動維持のセルフケアの重要なエビデンスとなり得る。
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Research Products
(2 results)