2012 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄損傷後の歩行機能再獲得のための神経リハビリテーション方法の開発
Project/Area Number |
22680045
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Research Institution | 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所) |
Principal Investigator |
河島 則天 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 運動機能系障害研究部, 室長 (30392195)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 脊髄損傷 / 歩行 / リハビリテーション / 神経可塑性 |
Research Abstract |
本研究では、近年盛んに行われている中枢神経再生に関する研究成果に呼応して、その後の歩行機能再獲得を円滑に実現するための効果的なリハビリテーション方法を開発することを目指す。具体的には、脊髄損傷後の歩行機能獲得のkey wordとして歩行運動の発現に貢献すると目される脊髄中枢パターン発生器(CPG)の性質に着目、脊髄CPGの性質についての神経生理学的研究を行うと共に、その活動を励起させる手段を検索し、新たなコンセプトに基づく神経リハビリテーション方法を提案する。本研究の目的は脊髄損傷によって歩行機能障害を有する患者に対し、脊髄CPGの活動を励起する適切な神経入力を与えることによりuse-dependent plasticityを促し、合目的的に歩行機能回復を実現する神経リハビリテーション方法を考案することである。 研究期間中に脊髄不全損傷者に対する歩行リハビリテーションの有効性に関する研究を進め、13名の横断的検討、7名の縦断的検討を行った。縦断的検討では、歩行動作と麻痺下肢筋活動の関連性についての重要な知見を得ることができた。12週間の動力歩行装置を用いた受動ステッピングトレーニングの効果を検証した縦断的検討では、過剰な痙性麻痺の減弱傾向と、歩行中の荷重入力をトリガにした合目的的な筋活動応答の発現を示唆する重要な所見が得られた。また、上肢と下肢間の神経連絡と、その歩行への貢献度についての実験を実施し、上肢運動に伴う随伴的な下肢への神経投射のみならず、脊髄の異なる髄節間を跨ぐ神経回路が活性化される可能性が示唆された。これらの知見は、脊髄損傷後の歩行機能回復のkey wordとなる脊髄CPGの性質についての重要な情報を与え得るものであり、本研究の中核となる貴重な知見である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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