2010 Fiscal Year Annual Research Report
現在の阪神地域における災害医療体制の検証―阪神・淡路大震災を想定被害として―
Project/Area Number |
22681024
|
Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
池内 淳子 摂南大学, 理工学部, 准教授 (90450254)
|
Keywords | 災害医療 / 阪神・淡路大震災 / 病院防災 / 災害拠点病院 / 傷病者搬送 / 病院被災分布 |
Research Abstract |
今年度(平成22年度)は、阪神・淡路大震災の資料から、主に地震発生直後の急性期における「傷病者搬送」と「病院被害状況」に関する情報を抽出し、市販電子地図上でのプロットおよび病院単位の情報カードとして整理した。情報源とした資料は約30冊となった。(例:長谷川恒夫,救急医学(別冊)阪神・淡路大震災とサリン事件,へるす出版,2005)ここで「傷病者搬送」とは、被災地内病院にあっては、来院した傷病者数および大阪等へ搬出した患者数であり、大阪等の病院にあっては、受け入れ患者数およびそこからの転送数も含むこととした。また、「病院被害状況」とは、被災地内病院の被害状況に関する記述から特に施設の機能低下を抽出した。資料は、神戸大学付属図書館震災文庫(神戸市)や人と防災未来センター資料室(神戸市)に保管されているもののほか、研究協力者(鵜飼)の所有資料を用いた。震災から16年が経過し、絶版資料が増加している事が特徴的であった。また、同じ病院でも異なる記述があることも多かったが、研究協力者の助言を受けて「より詳細な記述を採用する」とのルール設定を行った。情報を抽出できた病院数は約170病院であった。病院については、直接患者を受け入れた病院(主に震度7を記録した神戸市内や西宮市内の病院)をSとし、被災地からの患者を受け入れた病院(主に大阪方面の病院)をG、その両方を担った病院をSGと分類した。電子地図上のマッピング結果から、神戸から芦屋・尼崎にかけてSの病院が分布し、それを取り巻くようにGの病院が広がる様子が確認できた。 本研究プロジェクトホームページを開設した。今年度は、プロジェクト主旨説明のページや、病院調査報告や学会参加報告などを記述した。また、関係者向け(プロジェクトの進行状況)に情報を発信している。
|
Research Products
(4 results)