2010 Fiscal Year Annual Research Report
グローバルスケールの津波災害インパクトの即時的開示と国際災害救援活動への新展開
Project/Area Number |
22681025
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
越村 俊一 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50360847)
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Keywords | 津波 / 被害予測 / リモートセンシング / GIS |
Research Abstract |
巨大地震津波発生直後に速やかに被災地を探索して被害を推計する技術を「激甚津波被災地探索技術」と定義し,津波発生後に即時的に実施する全球リアルタイム数値解析をベースとしたアプローチと,人工衛星による緊急観測の実施および衛星画像解析によるリモートセンシングベースの2つのアプローチで技術体系を確立する.22年度は,特に以下の課題について集中的に取り組んだ. (1)地球全体を対象とした津波曝露人口指標による予想津波被災地の探索:海溝型巨大地震による津波の発生・伝播・浸水域を予測する全球型のマクロな津波浸水予測モデルを開発し,世界の人口データとの統合解析により津波曝露人口を推計するモデル(曝露人口指標モデル)を開発した.さらに,浸水レベルに対応した死亡率の経験則を掛け合わせることにより,津波曝露人口・推定死者数の空間分布を尺度として,詳細な被害推計を実施すべき地域(予想津波被災地)を明らかにした. (2)合成開口レーダ(SAR)を用いた建物被害把握:光学センサによる衛星画像の取得は被災地の昼夜や天候に左右されるという欠点があるため,全天候型の合成開口レーダ(SAR)を用いた建物被害把握手法を開発した.SAR画像の欠点は,空間分解能が低いことと地表からのマイクロ波の後方散乱強度で表現されるため,画像の処理と解釈に特別なアルゴリズムを開発した.ここでは,航空写真で判読した過去の津波被災地の家屋被害の有無とSAR画像の後方散乱強度との関連を明らかにし,後方散乱強度を被害建物棟数に換算するための新しい画像処理手法を開発した.
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Research Products
(8 results)