2013 Fiscal Year Annual Research Report
マルチオミクス解析によるクマムシの乾燥耐性・極限環境耐性分子機構の解明
Project/Area Number |
22681029
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
荒川 和晴 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科, 特任講師 (40453550)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | メタボローム / クマムシ / プロテオーム / トランスクリプトーム / 乾燥耐性 / システム生物学 / ヨコヅナクマムシ / Hypsibius dujardini |
Research Abstract |
緩歩動物門を形成する微小動物クマムシのうち、陸生のものの多くは乾燥耐性を持ち、乾燥に曝されると脱水してほぼ完全に代謝 を停止した乾眠と呼ばれる状態に移行する。クマムシは乾眠状態では超高温・超低温・超高圧・真空・放射線などに耐性を示し これらのストレス曝露後も給水により速やかに生命活動を再開する。しかしながら、乾燥耐性や極限環境耐性の分子機構には不明な点が多く、分子生物学的なメカニズムの解明が待たれている。そこで、本研究では通常/乾眠時の定量的かつ網羅的なメタボローム(イオン性化合物・核酸・糖・脂質)及びプロテオーム(量及びリン酸化状態)を測定し比較するマルチオミクスの手法により、乾眠の分子機構をシステムとして解明することを目的としている。 本年度は、本研究が対象としてきたRamazzottius varieornatusの近縁種であり、同じHypsibidae科に属しているものの乾眠能力が弱いHypsibius dujardiniという別種のクマムシについて同様のマルチオミクス解析を行った。まず、HiSeq2000によって得られた9GbpのリードをMaSuR-CAによってde novoアセンブルし、ゲノムのドラフト配列を得た。続いて、R. varieornatusと同様のタイムポイントでトランスクリプトームをRNA-Seqによって計測し、発現量の変化をRSEM及びedgeRソフトウェアによって定量した。これらの情報に基づいてin silicoで代謝パスウェイを再構築し、メタボローム解析によって得られたデータを代謝パスウェイにマッピングすることでマルチオミクスデータを統合的に解析した結果、H. dujardiniはR. varieornatusと同様の遺伝子セットを使いながら、その制御を遺伝子発現を通じて行うことで緩やかな乾眠移行が必要になっていることを明らかとした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Analysis of DNA Repair and Protection in the Tardigrade Ramazzottius varieornatus and Hypsibius dujardini after Exposure to UVC Radiation2013
Author(s)
Horikawa DD, Cumbers J, Sakakibara I, Rogoff D, Leuko S, Harnoto R, Arakawa K, Katayama T, Kunieda T, Toyoda A, Fujiyama A, Rothschild LJ
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Journal Title
PLoS One
Volume: 8
Pages: e64793
DOI
Peer Reviewed
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