2010 Fiscal Year Annual Research Report
自己き裂治癒の応用によるセラミックスの転がり疲労強度向上
Project/Area Number |
22686013
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
高橋 宏治 横浜国立大学, 工学研究院, 准教授 (90334630)
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Keywords | セラミックス / 転動疲労強度 / 自己き裂治ゆ / ショットピーニング / 破壊靭値性 / 圧縮残留応力 |
Research Abstract |
セラミックスは優れた耐摩耗性,放熱性,高剛性,軽量などの特徴を有するため,高い摺動特性を有する高性能ベアリングとして期待が高まっており,一部で実用化にも至っている.その中で,ベアリング材料自体の信頼性評価として、転動疲労強度の評価が求められている.一方で,セラミックスは脆性材料であり表面き裂に対する感受性が高いという欠点を有していることから,優れた摺動特性を有しながらも使用範囲が制限されているのが現状である.この欠点の克服のために,セラミックスの自己き裂治癒能力とショットピーニング(以下,SP)の応用が研究代表者らにより提案されている.SPにより圧縮残留応力を導入し,見かけの破壊靭性値を向上させる.さらに,自己き裂治癒を行うことにより,表面の強靭化,高強度化と信頼性向上の両立が達成されるというものである.ただし,この効果が転動疲労強度に与える影響については明らかとされていない.そこで,本年度は,ベアリング材料に求められる転動疲労強度の向上のために,転動疲労強度に対する自己き裂治癒とSPの効果の解明を目的として研究を行なった. 初年度はまず転動疲労試験法を確立した.続いて,窒化ケイ素およびアルミナを供試材として,ショットピーニングおよびき裂治癒が転動疲労強度に及ぼす影響を検討した.その結果,以下の成果が得られた. (1)ショットピーニングによる圧縮残留応力の導入により,転動疲労強度は最大で2倍程度まで向上した. (2)材料表面に表面き裂が存在する場合には,ショットピーニングを行うことで破壊を助長させる危険性があるが,自己き裂治癒を施してからショットピーニングをすることで,高い転動疲労強度が得られた.
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Research Products
(4 results)