2012 Fiscal Year Annual Research Report
自己き裂治癒の応用によるセラミックスの転がり疲労強度向上
Project/Area Number |
22686013
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
高橋 宏治 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (90334630)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | セラミックス / 転動疲労強度 / 自己き裂治癒 / ショットピーニング / 破壊靱性値 / 圧縮残留応力 |
Research Abstract |
セラミックスは、軽量、耐摩耗性、絶縁性といった特性を有するため、特殊環境下で使用可能な高性能ベアリングへの適用が期待されている。しかし、セラミックスは破壊靱性値が金属に低いため、繰返し接触に起因する転動疲労により、加工時に生じる既存の表面き裂を起点に突発的な破壊が起こる危険性がある。そのため、ベアリング等への適用の際、この欠点を克服することが強く望まれている。その手法として、前年度までの研究により、窒化ケイ素に対してはショットピーニング(SP)を実施することにより転動疲労強度を向上できることが明らかとなってきている。しかし、破壊靱性値が低いアルミナ等のセラミックスでは、SPのみではき裂の発生による強度低下が懸念される。そこで本年度はアルミナ/炭化ケイ素複合材(Al2O3/SiC)の転動疲労強度に対するSPとき裂治癒の併用効果を解明し、転動疲労強度向上の克服ができる新たな表面改質手法の提案を目的とした。 供試材はAl2O3/15vol.%SiC複合材を用いた。平滑材、SP材およびSP+治癒材を用いて、転動疲労試験を行った。SP材およびSP+治癒材の表面には、それぞれ約300MPaおよび200MPaの圧縮残留応力が導入されていることが確認された。このことから、き裂治癒を施しても、SPによる圧縮残留応力は全て解放されないことが確認できた。転動疲労試験には、初年度に導入したスラスト荷重型軸受試験機を用いた。転動疲労試験の結果、SPにより圧縮残留応力を導入しても、表面にき裂が存在した場合、転動疲労強度は向上しないことが明らかとなった。しかし、SPとき裂治癒を併用することで、圧縮残留応力を残しつつき裂を治癒すれば、転動疲労強度は大幅に向上することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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