2010 Fiscal Year Annual Research Report
性フェロモン受容体遺伝子のフェロモン受容細胞特異的発現を決定する分子機構の解明
Project/Area Number |
22688004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
櫻井 健志 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任助教 (20506761)
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Keywords | 昆虫 / 遺伝子 / 発現制御 / 性フェロモン受容体 / カイコガ |
Research Abstract |
ガ類昆虫のオスはメスの放出する性フェロモンを触角中のフェロモン受容細胞で検出し、同種メスを認識し、メスのもとへ定位する。このような性フェロモンを介した種の認識は、フェロモン受容細胞において同種フェロモンを高選択的に認識する受容体遺伝子が特異的に発現することで達成されている。本研究では、カイコガ(Bombyx mori)をモデルとして、性フェロモン受容体遺伝子の特異的発現を制御する分子間ネットワークの明らかにする。本年度は、カイコガ性フェロモン受容体遺伝子BmOR1およびBmOR3の特異的発現に必要な最小プロモーター領域の決定、プロモーター配列の比較によるシス配列の推定に向けたカイコガ近縁種のフェロモン受容体遺伝子の同定を目的として行った。最小プロモーター領域の決定のためにBmOR1,BmOR3の上流配列0.5kb,1kb,1.5kbをプロモーターに用いたGAL4系統の作出を試みた。しかしながら、組換え効率が低く目的とする組換え系統の樹立にはいたらなかった。そこで、現在用いているヘルパーDNAより高効率で組換え体の作出が期待できるヘルパーDNAを入手し、これを用いた組換え体の作出に着手した。並行して、カイコガ近縁種であるクワコ(Bombyx mandarina)のBmOR1とBmOR3の相同遺伝子およびクワコと比較し遠い近縁種であるイチジクカサン(Trilocha varians)のフェロモン受容体候補遺伝子を単離した。
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