2012 Fiscal Year Annual Research Report
性フェロモン受容体遺伝子のフェロモン受容細胞特異的発現を決定する分子機構の解明
Project/Area Number |
22688004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
櫻井 健志 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任講師 (20506761)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 昆虫 / 遺伝子 / 発現制御 / 性フェロモン受容体 / カイコガ |
Research Abstract |
本研究では、カイコガをモデルとして、性フェロモン受容体遺伝子の特異的発現を決定するシス領域の同定および転写を制御する分子間ネットワークを明らかにすることを目的とした。本年度は、in vivoプロモーターアッセイによるカイコガ性フェロモン(ボンビコール)受容体遺伝子BmOR1の特異的発現に必要な最小プロモーター領域の決定およびプロモーター領域中の配列解析を中心に研究を進めた。前年度からプロモーターとして用いる上流領域をさらに絞り込みBmOR1の開始コドンから0.3kb上流をプロモーターとするGAL4系統を作出し、UAS-GFP系統と交配後、GFP発現パターンを解析した。その結果、GFP陽性細胞はオスの触角全体で検出され、その分布パターンはボンビコール受容細胞の存在する毛状感覚子の分布と類似していた。さらに、これらの受容細胞はボンビコール情報処理中枢である触角葉大糸球体のtoroid領域に選択的に軸索を投射していた。これらの結果から、BmOR1の上流0.3kb以内にボンビコール受容細胞での特異的な発現を制御するシス配列が存在することが強く示唆された。この領域内にカイコガの性決定に関与する転写因子をコードするdoublesexの認識配列に高い類似性を示す塩基配列が見出されたため、doublesexタンパク質とBmOR1上流0.3kb配列との結合実験を検討したが、in vivoプロモーターアッセイに当初の予定より長期間を要したため、doublesexがBmOR1の転写制御因子である実証にはいたらなかった。本研究では、全く未知であった性フェロモン受容体遺伝子の転写制御がわずか0.3kb内の上流配列で決定されていることを示し、そしてその配列中にシス配列の候補配列を推定することに成功したことから、BmOR1の転写制御の解明に向けてきわめて重要な知見が得られたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Pheromone responsiveness threshold depends on temporal integration by antennal lobe projection neurons2013
Author(s)
Tabuchi M, Sakurai T, Mitsuno H, Namiki S, Minegishi R, Shiotsuki T, Uchino K, Sezutsu H, Tamura T, Haupt SS, Nakatani K, Kanzaki R
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci U S A
Volume: 110
Pages: 15455-15360
DOI
Peer Reviewed
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