2010 Fiscal Year Annual Research Report
寿命制御における転写因子FOXO1のDNA損傷応答機能の解明
Project/Area Number |
22688029
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大徳 浩照 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (30361314)
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Keywords | 転写因子 / DNA損傷 / 紫外線 / 寿命 / 損傷乗り越え修復 |
Research Abstract |
1.ATR-Chk1シグナル経路におけるFOXO1の役割の検証 紫外線に対するDNA損傷応答は、ATRキナーゼの主要な基質であるChk1のリン酸化レベルを検出することで評価できる。この系においてFOXO1のRNAiノックダウンが紫外線照射依存的なChk1のリン酸化を増強することを見出した。またこのリン酸化の継続時間はコントロールに比べ有意に延長した。この結果はFOXO1が紫外線損傷応答に対して保護的に機能することを示唆している。 2.FOXO1が関与するDNA損傷応答経路の特定 上記の実験を細胞周期同調下で行うことにより、FOXO1がS期の紫外線損傷特異的にDNA損傷応答に寄与することが明らかとなった。この結果は、FOXO1が損傷乗り越えDNA複製(TLS)に関与することを示唆している。研究開始当初、FOXO1結合因子として同定したRFC複合体はTLS関連タンパク質の構成因子であることから、今後はこの経路に着目し、FOXO1の直接的な作用点を明らかにする。 3.紫外線DNA損傷応答に必要なDAF-16の分子機能の解明 線虫は孵化後48時間で4段階の発生過程を経て成虫となる。この間の活発な細胞分裂(DNA複製)時に低線量のUVを照射することで、損傷乗り越え複製を評価することが可能である。そこで線虫における損傷乗り越え複製因子の各変異体、およびdaf-16変異体の発生過程における紫外線照射の影響を観察したところ、すべてにおいて顕著な成長遅延が認められた。これはDAF-16が損傷乗り越え複製因子と同様の機能を有する可能性を示唆している。
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Research Products
(4 results)