2012 Fiscal Year Annual Research Report
寿命制御における転写因子FOXO1のDNA損傷応答機能の解明
Project/Area Number |
22688029
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大徳 浩照 筑波大学, 生命環境系, 講師 (30361314)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 老化 / 寿命 / FOXO / 線虫 / 紫外線 / 損傷乗り越えDNA複製 |
Research Abstract |
本研究の目的は、長寿遺伝子として知られている転写因子FOXO1が、紫外線DNA損傷応答機構のひとつである損傷乗り越えDNA複製に寄与すること、またその機能には標的遺伝子の転写誘導を介さないことを、生化学的・遺伝学的に明らかにすることである。昨年度までの研究成果により、以下のことが明らかになった。 1. 損傷乗り越え複製におけるFOXO1の作用点 培養細胞を用いた生化学的解析から、FOXO1はDNAポリメラーゼηの活性補助因子であるCTF18、および一本鎖DNA結合因子であるRFC1と相互作用することが示された。また、FOXO1は通常の培養下においては細胞質に局在することが知られているが、我々は、紫外線照射後30分程度でFOXO1が核に移行することを見出した。 2. 線虫の変異体を用いた幼虫期の紫外線損傷応答 線虫は孵化後4段階の幼虫期を経て成虫となり、この間の活発な細胞分裂(DNA複製)時に紫外線を照射することで、損傷乗り越え複製を評価することができる。解析の結果、daf-16変異体はpolη変異体と同様に成長が遅延すること、またその表現型は転写活性を欠失したdaf-16によってレスキューされることを明らかにした。 以上の結果は、転写因子であるFOXO1が培養細胞のみならず、線虫個体においても損傷乗り越えDNA複製に寄与することを示している。紫外線が老化の原因であることを考えると、本研究成果はFOXO1の抗老化メカニズムの一端の解明につながるものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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